スマート フォーツーは、日本では様々な魅力を加えた限定車として展開していく計画だという。この第1弾は欧州ではカタログモデルとして設定されているパッションをベースに、コーディネートした仕様である。
画像1: 【試乗】スマート フォーツー エディション1の最小回転半径3.3mは異次元の体験だ

驚くべき使い勝手の良さ

スマート フォーツーがフルモデルチェンジして登場した。初代スマートは、駐車スペースの確保や渋滞に悩む都市部の交通環境を解決するマイクロコンパクトカーとして誕生。小さく、使い勝手に優れ、しかも燃費も良く、衝突安全性能にも優れる、画期的なコンセプトを持っていた。リアエンジン、リアドライブとしたことも大きな注目を集めた。

当初は「シティクーぺ」として登場、後に、ロードスター、ロードスタークーぺ、フォーフォーなる4シーターモデルが追加されたことに伴い、「フォーツー」と名前を変更している。

画像: コンパクトカーならではのキュートなスタイリング。一方でワイドトレッドにより安定感もある。

コンパクトカーならではのキュートなスタイリング。一方でワイドトレッドにより安定感もある。

初代のテイストを継承しながらやや大型化された2代目を経て登場した新型フォーツーも、基本的に初代のコンセプトを踏襲している。強固なボディ剛性を生み出す「トリディオンセーフティセル」をボディデザインの要素として取り入れ、極めて短い前後オーバーハングのショート&トールプロポーションを採用している点も初代からの伝統だ。

ただし、従来のモノフォルムから、短いボンネットを設けた1.5ボックスに変更。空力性能の向上と立体駐車場への対応を図り、車高もやや低く抑えられている。

ワイドトレッド化され、全幅が100mm拡大されたのも大きなポイント。助手席の乗員との距離感が改善され、3.3mという驚くべき最小回転半径を実現している。全幅が拡大したのに最小回転半径が小さくなるのは少し不思議な感じもするが、全幅を拡大したことにより、スペースに余裕が生まれ、前輪の舵角を38度から51度にすることができたのだという。

実際に走らせてみると、その小回り性にびっくり。思い切り右旋回すると、まるで運転席を中心にその場で回転しているようにさえ思える。

画像: 1L直3自然吸気エンジンをリアに搭載して後輪を駆動する。JC08モード燃費は21.9km/Lとなる。

1L直3自然吸気エンジンをリアに搭載して後輪を駆動する。JC08モード燃費は21.9km/Lとなる。

エンジンは新開発の1L直列3気筒自然吸気で、最高出力71ps、最大トルクは91Nm。パワフルとは言えないが、車重940kgのボディには十分。動力性能に不満を覚えることはなかった。この印象は新たに採用された6速デュアルクラッチトランスミッション「ツイナミック」によるところも大きいだろう。フォルクスワーゲンのDSGのようなクリープはないが、そのスムーズな変速は歓迎されるはずだ。

フロント/ストラット、リア/ドディオンのサスペンションは、意外やストロークがあって、しなやかになったと感じられる。ワイドトレッド化の効果も大きく、走りに安定感が増し、RRレイアウトならではの後ろからグイグイと押してくれる気持ちよさを感じさせてくれる。

1875mmというホイールベースによる、ちょっと忙しい動きはさすがに消えていないが転倒の不安は皆無だ。ロードホールディングの限界に達すると、ASRやESPなどが介入。強い横風を受けると片側車輪にブレーキをかけて車両を安定させる「クロスウインドアシスト」も採用されている。

スマートのアイコンのひとつともなっている上下開閉式のテールゲートは、壁際ギリギリまでつめて駐車しても開閉可能なのがメリット。ラゲッジルーム容量は通常時260Lだが、助手席シートバックを前倒すれば、ゴルフバッグなど大きな荷物も積み込むことができる。その際の最大容量は350Lとなる。

ただし、都市部はほぼ全面駐車禁止となる日本ではスマートが持つメリットを生かすことができず、また日本市場ではいざという時に多人数乗車が可能なことが好まれる傾向があるので、どれほどの人気を得ることができるかは未知数。インポーターも、軽自動車という手強いコンパクトカーが存在する日本市場では、「個性的なマイクロカー」という位置づけと考えているのか、カタログモデルではなく、独創的な魅力を詰め込んだ限定モデルとして、年に数回設定していく計画のようだ。

今回試乗した「エディション1」はその第1弾となるもので、価格はラバオレンジが199万円、ミッドナイトブルーが204万円。各220台の限定となる。

新型フォーツーが日本でどのように受け入れられるか興味深いが、「自分専用」のパーソナルカーとして、「いざとなれば、もうひとり乗車することが可能」と考えれば、おもしろい存在となりそうだ。(文:松本雅弘/写真:村西一海)

画像: 最小回転半径が3.3mというのは体感してみると驚きである。使い方次第でユーザーに大きなメリットあり。

最小回転半径が3.3mというのは体感してみると驚きである。使い方次第でユーザーに大きなメリットあり。

●主要諸元〈フォーツー エディション1 ラバオレンジ〉
全長×全幅×全高=2755×1665×1545mm 
ホイールベース=1875mm 
車両重量=940kg 
エンジン=直3DOHC 998cc 
最高出力=52kW(71ps)/6000rpm 
最大トルク=91Nm(9.3kgm)/2850rpm 
トランスミッション=6速DCT 
駆動方式=RR 
JC08モード燃費=21.9km/L 
車両価格=1,990,000円

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