メルセデスの運転支援システムをガラ空き高速道路から渋滞中の一般道まで、いろんなシーンで検証。そのアシスト具合が絶妙に「ちょうどいい」ことに驚いた。サポートされるドライバーが「怖くない」って、実はとても大切だ。

未来型Eクラスのインテリジェント性能は「レベル2」に到達

画像: 未来型Eクラスに、ステーションワゴン誕生。|30秒版 www.youtube.com

未来型Eクラスに、ステーションワゴン誕生。|30秒版

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メルセデスベンツが次世代のクルマにとって欠かせないものとして研究開発を進め、積極的に市販モデルに採り入れている重要なバリューのひとつが「Intelligent Drive」だ。目指すは「事故なき運転」。統合的安全性を謳い、あらゆるシーンで革新的な安心感を実現しようとしている。

支援する機能や搭載されるクルマのクラス、世代によってその「インテリジェント」な内容やレベルは異なっているけれど、今、もっとも進んでいるシステムといえば、新型Eクラスから採用されている「ドライブパイロット」だろう。クルマが積極的に車線を維持してくれる「ステアリングパイロット」など、さまざまな運転支援機能を統合するこのシステムは、いわゆる「レベル2」に当たる自動運転を実現した。

飛躍的に高まった実用性。カギを握るのは多種多様なセンシングだ

画像: www.yanase.co.jp
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思えば2016年は、「パイロット元年」だった。テスラが実用化に踏み切ったのが「オートパイロット」、日産がセレナに採用したのが「プロパイロット」。パイロットつながりのネーミングは、レベルはどうあれかなりの程度、実用的な「自動運転」を象徴している。2016年はある意味、普通にそういうクルマたちが街を走り回るようになった、記念すべき年と言えるかもしれない。

Eクラスの「ドライブパイロット」もまた、実用性が非常に高いところが印象的だった。アシストの種類や範囲、対応速度域の広さに至るまでその性能は飛躍的に高まっている。ステレオカメラをはじめほぼ360度をカバーする多彩な種類のセンシングを、ふんだんに盛り込んだだけのことはある。まずは周囲の状況を素早く的確に察知しなければ、対処のしようも回避のしようもない。

Eクラスと一体化したかのような、ごくごく自然なアシスト感覚

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ステアリングパイロット

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実際に公道で試してみると、新型Eクラス ステーションワゴンでは、そうした「感覚」をリニアに運転操作へとフィードバックする制御の味付けが絶妙でナチュラルなことに驚かされた。たとえば片側一車線の一般道や比較的幅が狭い有料道路などで車線、ガードレール、前走車を認識して介入してくるステアリングのアシスト感などが、とてもスムーズだった。

常に道路の真ん中を走ろうとしてくれるので、フラフラと外側に孕んだり内側に切れ込んでしまうことがあまりない。「大丈夫か、ホントに曲がるのか」というドキドキ感が、ライバルたちのシステムと比べても少ないように思える。アシスト力は強すぎず弱すぎず、ステアリングに手を添えているとまるで自分が切っているかのように自然に向きを変えてくれる。これならかなりの部分までクルマ任せで走らせても、怖くない。

メルセデスベンツらしい「紳士による紳士のための」ショーファー感覚

画像: 「ディストロニック・プラス」 中・長距離と短距離の2種類のレーダーが、先行車を認識し車間距離を最適に。 www.intelligent-drive.jp

「ディストロニック・プラス」 中・長距離と短距離の2種類のレーダーが、先行車を認識し車間距離を最適に。

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怖くないと言えば、高速道路で前を走っていたクルマが車線変更した時などの加速感も、スムーズで心地よいものだった。車種によっては時々、設定された上限速度まで思いきりスポーティに加速してくれる「不必要に元気いっぱい」なセッティングになっていることもあるが、かなり心臓に悪い。決してシャープな走りではないけれど常に落ち着いたショーファー的なドライブパイロットのサポート感は、任せて安心なレベルを一気に引きあげてくれている印象だ。

細かいところだが、信号待ちで停止してから再始動するまでのプロセスにも、メルセデスらしいまじめなおもてなし感を感じた。ドライブパイロットが作動した状態で静止している時、前のクルマが走り出すとわずかなラグを置いてエンジンが再スタートする。チョンとアクセルを踏み込むと、前走車を再び追尾開始。積極的にブレーキを踏み込まない限り、自動制御は続く。

100%信用することはもちろんできない。それでもきっと、クセになる

画像: 「アクティブレーンチェンジングアシスト」ステアリングパイロットが作動している時、ウインカーを2秒以上点滅させると安全を確認した上で自動的に車線を変更させる。 www.intelligent-drive.jp

「アクティブレーンチェンジングアシスト」ステアリングパイロットが作動している時、ウインカーを2秒以上点滅させると安全を確認した上で自動的に車線を変更させる。

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自分で運転しないと眠くなるんじゃないだろうか、という漠然とした不安を試乗前は感じていたのだが、実際は逆だった。メルセデスの場合、ステアリングに触れているだけではしばらくすると警告音が鳴り響く。微修正でもいいので、意識的に操作していることをクルマに伝えておかなければいけない。ややうっとおしいが、ガケっぷちなレベルで襲い来る眠気を覚ますには、かなり効果的だ。

なによりドライブパイロットは100%信用しきれない。だからこそ、ドライバーは覚醒し続けている。メルセデスベンツのシステムはかなり信頼性が高いとは思うけれど、やっぱり常に疑心暗鬼。つまり四六時中どこかの神経が緊張している。Eクラスの自動運転機能の中でもとくに画期的な自動車線変更システム「アクティブレーンチェンジングアシスト」の時などは、軽く手に汗握るほど。

そういう逆説的なメリット(?)も含めて、万年寝不足の自動車専門誌編集マンにとってドライブパイロットは、かなり頼りになるハイテク装備だった。運転支援システムは一度リアルに体験してしまうと、きっとクセになる。もちろんメルセデスベンツだけでなく、今後ますます「自動なクルマ」たちは増えていくハズ。これからも折を見て、その真価と進化の真実をお伝えしたいと思う。

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