1982〜1985年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「よろしくメカドック」。その作中には現代では名車と呼ぶにふさわしいモデルが多数登場する。今回はその中から、日産の初代フェアレディ240ZGをマンガの原画とともに振り返る。
画像: 240ZGの日本発売は1971年。Gノーズとワイドタイヤ装着を前提としたオーバーフェンダーが衝撃だった。

240ZGの日本発売は1971年。Gノーズとワイドタイヤ装着を前提としたオーバーフェンダーが衝撃だった。

1969年10月に発売された初代フェアレディZは、日本では税制に合わせて2L直6エンジン(L20型SOHC)が搭載されたが、メイン市場の北米では中速域で余裕のある2.4L(L24型SOHC)が搭載された。

その輸出仕様と同じエンジンを搭載した240Zが日本で発売されたのは1971年8月のこと。中でも注目されたのが、今回の主役である240ZGだ。レースでの戦闘力を高めるために、ノーマルの240Zより190㎜も長いGノーズを装着。空気抵抗の低減と、高速域での安定性向上を狙った。さらにワイドタイヤの装着を前提とした前後オーバーフェンダーまで装着され、全幅は30㎜拡大している。これが日本専用仕様だったのだから驚く。

搭載されたL24型エンジンには、SUキャブを2連装し、当時Z最強を誇った432(S20型24バルブDOHC搭載)に最高出力では10ps負けていたが、800回転低い4800rpmで3kgm強力なトルクを発生し、結果的に432に勝る運動性能を実現していた。最高速は210km/h、0-400m加速は15.5秒をマークしており、当時の国産車トップレベルである。

画像: 「よろしくメカドック」の主人公・風見潤が尊敬するチューニング界のカリスマが渡辺俊光(ナベさん)。ツボをおさえたフェアレディZのチューニングはさすが! ⓒ次原隆二/NSP 1982

「よろしくメカドック」の主人公・風見潤が尊敬するチューニング界のカリスマが渡辺俊光(ナベさん)。ツボをおさえたフェアレディZのチューニングはさすが! ⓒ次原隆二/NSP 1982

「よろしくメカドック」では主人公・風見潤が尊敬するチューナー・渡辺俊光(ナベさん)の愛車として登場。「キャノンボール・トライアル編」では、加速重視のチューニングでバン用のミッションにさらに手を加えたものに換装、当時はまだ珍しかった四輪ディスクブレーキを採用するなど、ベテランチューナーらしくツボをおさえたチューニングを施している。また「全日本ゼロヨンGP編」では、同じく240ZGをベースにしながらボディ外板をすべてFRP化して710kgまで軽量化、さらにトレッドを拡げホイールベースも延長して重心を下げ、スピンしにくいクルマに仕上げている。

画像: 加減速の多い市街地レースを見越して、バン用のミッションに手を加えて搭載。ⓒ次原隆二/NSP 1982

加減速の多い市街地レースを見越して、バン用のミッションに手を加えて搭載。ⓒ次原隆二/NSP 1982

画像: 全日本ゼロヨンGP編では軽量化とともに、トレッドとホイールベースを拡げて安定性を向上している。ⓒ次原隆二/NSP 1982

全日本ゼロヨンGP編では軽量化とともに、トレッドとホイールベースを拡げて安定性を向上している。ⓒ次原隆二/NSP 1982

This article is a sponsored article by
''.