冬になると、夏タイヤからスタッドレスタイヤに履き替える人も多いだろう。最近では軽い雪道ならば走行でき、一年中履き替えがいらない「オールシーズンタイヤ」も日本で認知されてきているが、今日の課題は「ウインタータイヤ」のこと。こもだきよし氏が解説する。

画像: 【くるま問答】スタッドレスタイヤとウインタータイヤってどう違う?

スパイク禁止から登場した日本のスタッドレスタイヤ、アイスバーンの心配がないヨーロッパで進化したウインタータイヤ

スタッドレスは日本の冬の定番タイヤになっている。25年前に日本国内でスパイクタイヤの製造が禁止されてから、スノータイヤより氷上性能向上を望まれて登場したのがスタッドレスタイヤだ。日本独特の気温の変化で、昼間は雪が溶け夜になり凍るとツルツルでは走れないだけでなく、止まれない曲がれない状態になってしまうからだ。

ヨーロッパでは、アイスバーンになる心配がない地域では冬季はウインタータイヤを履く。氷上性能はスタッドレスのように高くはないが、雪ではスタッドレスと同程度、ウエットやドライ路面ではほぼ夏タイヤに近い性能を備えていて、アウトバーンで飛ばすことも可能だ。雪が降らなくても冬には冬タイヤを履くことが常識になっているし、ドイツでは冬季はウインタータイヤを履くことが法律で義務つけられている。

気温7℃以下は夏タイヤよりも冬タイヤの方がグリップが良いというデータがある

気温が7℃以下になると、夏タイヤは冬タイヤよりグリップが低下する。100km/hからの制動距離は、7℃以下では冬タイヤが短いというデータがある。夏タイヤは冷えるとゴムが硬くなって粘りがなくなり、ドライ路面でもグリップが低下するからだ。冬タイヤは寒くなってもゴムが硬くなりにくく、グリップの低下が小さいから逆転現象が起きるのだ。ウインタータイヤよりスタッドレスタイヤの方が、もっと低温でもしなやかさを保っているから、氷上性能が確保できている。

ただし気温が高くなると、ドライ路面ではゴムの硬さが足りず、スタッドレスタイヤはしっかりしたグリップを得にくい。

日本では、降雪地域はスタッドレスタイヤが一番良いと思う。しかし気温は7℃以下になるが、あまり雪は降らないという地域に住むならウインタータイヤが合っていると思う。とくにスポーツカーやハイパフォーマンスカーは、ロープロファイルタイヤもあるウインタータイヤをお勧めしたい。

しかしタイヤショップに行っても売ってないことが多い。それはユーザーが、アイスバーンではどれが一番グリップが良いですかと店員に聞き、それがスタッドレスタイヤと聞くとウインタータイヤは買わないから、店頭からなくなっていった。

性能がウインタータイヤに近いのが最近注目を浴びているオールシーズンタイヤで、1年中同じタイヤのまま走れるのが魅力だ。冬の間に夏タイヤを、夏には冬タイヤを保管するという手間がかからないのも嬉しい。

画像: ピレリのウインタータイヤ、ウインタースノーコントロール・セリエ3。日本で購入できるウインタータイヤは数少ない

ピレリのウインタータイヤ、ウインタースノーコントロール・セリエ3。日本で購入できるウインタータイヤは数少ない

画像: 7℃を下回るとサマータイヤの制動距離がウインタータイヤより伸びてしまう。コンチネンタルタイヤでは、履き替えタイミングの目安として気温7℃を推奨している。

7℃を下回るとサマータイヤの制動距離がウインタータイヤより伸びてしまう。コンチネンタルタイヤでは、履き替えタイミングの目安として気温7℃を推奨している。

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