タイヤって一見、ただ黒くて丸いゴム製品なのに、「コンフォートタイヤ」とか「スポーツタイヤ」とかジャンル別される。じゃ、実際それらはどう違うのか? タイヤに詳しいジャーナリスト、竹内龍男氏が答える。
画像: タイヤに何の性能を優先して求めるのか。それによりタイヤのつくりかたも変わる。

タイヤに何の性能を優先して求めるのか。それによりタイヤのつくりかたも変わる。

高速性能が求められるのがスポーツタイヤ

スポーツタイヤは「安全に速く走る」ためのタイヤで、主要テーマはハイスピードの耐久性とハイグリップ性になる。一方、コンフォートタイヤは「安全に快適に走る」ためのタイヤだ。乗り心地の良さと静粛性が重視されるポイントになる。

目的に合わせてタイヤの作りも当然異なる。たとえばスポーツタイヤで重要なハイスピード性能。速度規格Y(=最高速度300km/h)の耐久性を実現するには、強靭かつ高価なレーヨンプライを採用。内部のベルト部分は強固に補強している。ベルト補強でタイヤの膨張を抑えないと、高速時に接地面積が減少して操縦安定性が損なわれてしまうからだ。一方で、低速域の乗り心地は硬くなりやすい。

静かさと乗り心地を追求するのがコンフォートタイヤ

コンフォートタイヤに重要な静粛性は、主にパターンノイズとロードノイズの抑制がある。
パターンノイズは溝が発する音。抑制には溝を減らすのが効果的だが、しっかりした溝がないと雨の日に速く走れない。スポーツタイヤと大きく異なる部分だ。


荒れた路面のロードノイズを抑制するには、振動を拾いにくく伝えにくくする。そのため、接地形状を狭め、ブロック剛性を下げてソフトにした上、ゴムを厚くして振動を吸収する必要がある。しかし、接地面が狭くて柔らかいと高速域の操縦安定性には不利。ゴムを厚くすると高速回転で膨らみやすく、ハイスピード性と両立しにくい。

乗り心地と耐久力を両立したベルト補強層や、雨天の排水性を確保しながらパターンノイズを抑制する溝デザインなど、さまざまな研究が進んでいる。最新のフラッグシップタイヤはこういった新技術を搭載し、スポーツとコンフォートを高次元で両立した製品が出てきている。


しかし、両立しにくい部分は依然として残る。性能面の特徴を追求しながら、どんなバランスで作り込むのかが各モデルで異なり、スポーツタイヤやコンフォートタイヤの個性になる。

エコタイヤは転がり抵抗低減が第一

では、最近増えてきたエコタイヤはどうなのか。エコタイヤは転がり抵抗の低減が第一の課題。ゴムのエネルギーロスを減らせば、転がり抵抗は低減できるが、グリップもダウンする。とくにウエットグリップがダウンして危険なので、ラベリング制度で両立を促している。根本的にスポーツタイヤとは目指す方向が異なるわけだ。また、転がり抵抗低減にはゴムを薄くするといいが、ロードノイズ抑制には不利。コンフォートタイヤの転がり抵抗低減が難しいのは、この部分の影響が大きい。

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