Motor Magazine誌ではLongterm Reportと題して、テスト車をある程度の期間にわたって実際に乗って使用してみたレポートを紹介しています。今回は、その中から2014年10月から2016年11月までの2年間あまりで3万6000kmほど走行したフォルクスワーゲン ハイアップ!をねちっこくまとめた記事のレポートを、順を追ってこちらでご紹介させていただきます。[出典:Motor Magazine 2015年4月号]

第5回 5カ月目 8914km
今月の走行距離:1463km 燃費:1463km÷88.6L=16.5km/L
2015年1月24日〜2月20日

フットワークの手軽さを日々実感。

画像: メインカットは小雪が舞う寒い2月上旬、新型アルトの取材に随伴したMMアップ!号が主役とともに世田谷の九品仏にあるパーラー「ローレル」でひと休みしている姿。今月は遠方へ足を伸ばすことはなく、行動範囲は千葉の木更津方面や神奈川の大磯、箱根あたりまでだったが、それでも頼もしくかつ軽快なフットワークを持ち味に1500km近い走行を記録した。混雑した都内の移動にも手頃なボディサイズと燃費の良さで重宝されている。

メインカットは小雪が舞う寒い2月上旬、新型アルトの取材に随伴したMMアップ!号が主役とともに世田谷の九品仏にあるパーラー「ローレル」でひと休みしている姿。今月は遠方へ足を伸ばすことはなく、行動範囲は千葉の木更津方面や神奈川の大磯、箱根あたりまでだったが、それでも頼もしくかつ軽快なフットワークを持ち味に1500km近い走行を記録した。混雑した都内の移動にも手頃なボディサイズと燃費の良さで重宝されている。

アップ!が、MM編集部の長期テスト車として導入されたのは昨年(2014年)10月中旬のこと。現在までに、4カ月半ほどの期間と6600kmあまりの距離を過ごしてきたことになる。担当者としてテストを開始した当初は、アップ!に対する「大丈夫なのかな?」という、一種の警戒心みたいなものがあった。しかしクルマへ慣れるに従って、その警戒心はよき相棒として信頼する気持ちに変わっていき、いまではすっかり気に入った存在になっている。

Dレンジに入れっぱなしのドライビングはゆったり感アリ。

画像: 昨年(2014年)12月上旬のワンシーン。まだ純正ホイールにノーマルタイヤを装着した状態の時で、向こうに見えるフェラーリF12ベルリネッタの取材に参加。ロッソ(=イタリア語で赤の意味)同士でお似合いかな? それれにしても、前回のポルシェ911GT3といい、この時のフェラーリF12といい、そうそうたるモデルの取材にMMアップ!号は活躍していたことが改めて思い出されました。

昨年(2014年)12月上旬のワンシーン。まだ純正ホイールにノーマルタイヤを装着した状態の時で、向こうに見えるフェラーリF12ベルリネッタの取材に参加。ロッソ(=イタリア語で赤の意味)同士でお似合いかな? それれにしても、前回のポルシェ911GT3といい、この時のフェラーリF12といい、そうそうたるモデルの取材にMMアップ!号は活躍していたことが改めて思い出されました。

そこで今回は、あえて気になる点について述べてみようと思う。まず、アップ!の特徴であるAMT(オートメーテッドマニュアルトランスミッション)についてだ。フォルクスワーゲンでは「ASG」と呼ぶこのトランスミッションだが、確かに日本でデビューした直後のモデルに比べれば、Dレンジ走行時のシフトチェンジ制御が改良されている。ギアを変速する際の、クラッチが切れている時間が短くなったのだ。だから緩加速では、ほぼ問題ない。しかし、たとえばアクセルペダルを強く踏み込んで加速したい時にシフトダウンが起きると、まだそのタイムラグにもどかしさが募る。Dレンジで走行中に平坦路から上り坂へさしかかり、そこで加速しようとアクセルペダルを踏み込んだ時や、ETCゲートを抜けて右足に力を込めた際などにシフトダウンさせてしまうと、下のギアへつながるまでに加速力がどんどん失われていくような感覚に包まれてしまうのだ。

マニュアル操作でシフトダウンすると快適に走れる。

画像: これは2014年12月下旬の箱根山中。早朝からの試乗会取材に参加するため、格安ホテルで前泊。明け方に出発する際に撮影。駐車場は屋外だったので、霧と強い冷え込みによってフロントウインドウ全面が氷結していた。

これは2014年12月下旬の箱根山中。早朝からの試乗会取材に参加するため、格安ホテルで前泊。明け方に出発する際に撮影。駐車場は屋外だったので、霧と強い冷え込みによってフロントウインドウ全面が氷結していた。

ただし、これは簡単に回避できることでもある。そう、事前にセレクターを手前に引き、マニュアル操作でシフトダウンさせればいいだけの話なのだ。ただ、時にその操作を忘れてしまうと、このタイムラグを味わう事態となってしまう。そして、フロントドアに採用されるパワーウインドウの操作スイッチが左右ドアに1個ずつしか装着されていないことも気にはなる。ドアミラーは電動調整式だが、その格納は手動式。駐車する際にドアミラーを畳もうとすると、運転席から身体を伸ばして助手席の窓を開けて畳むという動作が必要になるが、その前に助手席側のスイッチでパワーウインドウを操作しなくてはいけない。

シンプルなだけに、アップ!の持ち味には魅了されるものが多い。

画像: 1月中旬に長野県の女神湖で開催された氷上ドライビングスクールの取材で出かけた際のカット。もう陽が出ていたので、外気温計は-5.5℃を表示。それでも十分に寒かったです、ホント。

1月中旬に長野県の女神湖で開催された氷上ドライビングスクールの取材で出かけた際のカット。もう陽が出ていたので、外気温計は-5.5℃を表示。それでも十分に寒かったです、ホント。

画像: コインパーキングの枠内に後ろ寄せで駐車してみると、前方にはこんなにもまだ余裕がある。道理で駐車がしやすいわけである。ハンドルの切れ角も大きいし、操舵力そのものも軽いので、狭い場所で動かすのも苦にならない。

コインパーキングの枠内に後ろ寄せで駐車してみると、前方にはこんなにもまだ余裕がある。道理で駐車がしやすいわけである。ハンドルの切れ角も大きいし、操舵力そのものも軽いので、狭い場所で動かすのも苦にならない。

また、ルームミラーが手動防眩式なのも意識させられる点だ。このところ、後方車両のヘッドライトがやけに眩しかったりすることが増えているように感じるが、その度に手動で防眩仕様にする必要がある。と、言ってはみたものの、MMアップ!号の持ち味には魅了されるものが多い、というのもまた事実だ。

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