インテリアはいかにもアウディらしい上質で緻密な仕上がり
アウディQ2はまったく新しい価値を持ったプレミアムコンパクトSUV。全長は4200mmとQ3の4400mmよりやや短く、いわゆるBセグメントに属すると考えられるが、現行A1をベースとしているわけではなく、MQBプラットフォームの下で新たに開発されており、メカニズム的にはむしろA3に近い。またSUVでありながら全高が1530mmに抑えられているのも特徴(Q3は1595mm)と言える。
そのスタイリングはアウディの中でも先進的で、ロングホイールベース&ショートオーバーハングのプロポーションの中に多角形をテーマにしたデザインが盛り込まれ、直線で構成された幾何学的な力強いラインと相まって、コンパクトながら強い個性を発揮している。
フロントまわりは8角形の大きなシングルフレームグリルが高い場所に配置され、立体的なボンネットデザインとともに、既存のアウディのラインナップとは異なる提案もうかがえる。
サイドビューではアウディらしくクーぺのようなルーフラインが印象的で、Cピラーに配されたブレードがアクセントになっている。これはボディカラーと対照色にすることができるようにもなっている。
インテリアはいかにもアウディらしい上質で、緻密な仕上がりがうかがえる。コンパクトなボディサイズながら、2595mmのロングホイールベースにより十分な居住スペースを生み出しているのもポイントだ(ホイールベースはQ3と10mmしか変わらない)。なお、後席のシートバックは60:40分割可倒式で、ラゲッジルーム容量は5人乗車時で405L、最大で1050Lとこのクラスとして十分な広さを持っている。
注目の1L直3ターボエンジンは最高出力116psにパワーアップ
日本仕様に用意されるパワートレーンは専用にチューニングされた116ps/200Nmの1L直3ターボと、気筒休止システムを備えた150ps/250Nmの1.4L直4ターボの2種類。いずれもトランスミッションは7速Sトロニックと組み合わされる。もちろん全車右ハンドルで、当面はFFのみの設定となる。
MQBプラットフォームによる軽量化とボディ剛性にも注目したい。とくに軽量化は顕著で、同じ1.4 TFSIエンジンを搭載するFFモデル同士で比較すると、ボディサイズはそれほど違わないのにQ3より130kgも減量されて1340kgとなっている。ちなみに、1.0 TFSIでは1250kgほどになるようだ。
サスペンションはフロントがストラット、リアはコンパクトで軽量なトーションビームとしている。今回写真で紹介している上級モデルという位置づけの「1.4 TFSIシリンダーオンデマンド スポーツ」も魅力的だが、パワーアップされた1Lエンジンを搭載する「1.0 TFSI」がどんな走りを見せるのかも興味深い。
プレミアムコンパクトとして、アダプティブクルーズコントロールやトラフィックジャムアシスト、アウディ サイドアシスト、レーンアシストといった運転支援システムをはじめとした先進メカニズムを、上級モデルからそっくり移植していることにも注目。アウディ ドライブセレクトやバーチャルコックピット、MMIナビゲーション、バング&オルフセンサウンドシステム、オートマチックテールゲートなどの装備も用意されているから、まさに新しい時代のコンパクトSUVと言える存在だ。
ラインナップは「1.0 TFSI」、「1.0 TFSI スポーツ」、「1.4 TFSI シリンダーオンデマンド スポーツ」の3モデル構成となる。コンパクトでスポーティで先進的な新型Q2は、コンパクトSUV市場に大きなインパクトを与えるとともに、アウディのコンパクトクラスのリーダー的存在となりそうだ。車両価格は1.0TFSIの2,990,000円から1.4TFSIシリンダーオンデマンド スポーツの4,050,000円となっている。(写真:永元秀和)
主要諸元 < Q2 1.4TFSI シリンダーオンデマンド スポーツ> 全長×全幅×全高=4200×1795×1530mm ホイールベース=2595mm エンジン=直4DOHCターボ 1394cc 最高出力=110kW(150ps)/5000-5500rpm 最大トルク=250Nm(25.5kgm)/1500-3500rpm トランスミッション=7速DCT(Sトロニック) 駆動方式=FF タイヤサイズ=215/50R17 車両価格=4,050,000円