大幅な改良を受けたメルセデス・ベンツの新型Sクラスが、中国で初披露された。かねてより注目されていた直列6気筒エンジンの復活は、ディーゼルエンジンからスタートする。
文:島下泰久/写真:Daimler AG

直6エンジンだけではない、パワートレーンの変更点が盛りだくさん

オート上海の開幕前夜、メルセデス・ベンツは市内の上海フィルムミュージアムにて、大幅に進化した新型メルセデス・ベンツSクラスをお披露目した。フェイスリフトとしては異例ともいえるその規模は、今や中国がSクラスの販売の3分の1を支える市場ということもあるのだろうが、一番はやはり、その内容の充実ぶりゆえの話と見るべきだろう。

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それでも外観の変化は、さほど多くはない。違いは新しいラジエターグリル、バンパー、3本のトーチが印象的なヘッドライトユニットやテールランプくらいだ。内装では、12.3インチディスプレイを2枚並べたワイドスクリーンコクピット周辺を変更。表示そのものもリファインされ、新しいデザインのハンドルが採用されている。

面白いのがオプションの「エナジャイジング コンフォート コントロール」だ。これは“フレッシュネス”“ヴァイタリティ”“コンフォート”など6つのプログラムから好みのものを選ぶと、空調、香り、マッサージ、音楽、イルミネーションが連携して、テーマに合った室内のムードを演出するというもの。また室温を調整すると、64色のアンビエントライトが赤や青に光るなど、多彩な表情を見せてくれる。

最大の変更点はパワートレーンだ。まず6気筒エンジンは、既報のとおりV型から新開発の直列ユニットへと置き換えられた。S350d 4マティック/S400d 4マティックが積むのは3L直列6気筒ディーゼルターボ。とくに後者は、最高出力340ps、最大トルク700Nmと、メルセデスのディーゼル史上、最高のスペックを誇る。

そしてS560 4マティックには、これも新開発の4L V型8気筒ツインターボエンジンを積む。最高出力は469ps、最大トルクはこちらも700Nmに達する。さらに、メルセデスAMG S63 4マティックプラスも、従来の5.5Lに代わって4LのV型8気筒ツインターボが搭載された。排気量縮小にもかかわらず、最高出力は612ps、最大トルクは900Nmとさらに高められている。左ハンドル用に採用された「4マティックプラス」は前後可変トルク配分機構を備える。 (つづく)

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