AZ-1、カプチーノとともに「ABCトリオ」と呼ばれて人気だった軽オープンスポーツモデル、ビート。絶対的な速さはAZ-1、カプチーノには及ばなかったが、高回転まで淀みなく回る自然吸気エンジンやアイポイントの低さ、そしてスポーツモデルらしい爽快感で人気だった。その魂はS660に引き継がれている。

ビートってどんなクルマ?

軽自動車としてはじめてエンジンを座席後部に搭載し、後輪を駆動するミッドシップレイアウトの2シーターフルオープンカーがビートだ。この「ミッドシップレイアウト」×「フルオープンモノコックボディ」は、量産車としてはこのビートが世界で初のモデルとなった。発表は1991年5月15日、発売は翌16日。

幌はソフトトップで、左右のフックを外して一人で簡単に開けることが可能。リアスクリーンは塩化ビニール製だった。

エンジンは656cc直列3気筒「MTREC(エムトレック)」エンジン。自然吸気でありながら最高出力は64psを達成。10モード燃費で17.2km/Lと高水準のエコ性能も誇った。

重心高は440mmという低重心さで、前後重量バランスは43:57と、ミッドシップとして理想的なボディバランスを実現。360mm径の小径ステアリングやNSXと同じ40mmのシフトストロークの5速MTなどで、キビキビとした走りとドライバビリティで人気を博した。

軽4輪車初のSRSエアバックシステムの装着車を設定した(オプション8万円)。

その後、特別仕様車の「バージョンF」、「バージョンC」、「バージョンZ」などが発売されたが、1996年には販売が終了。バブル景気が弾けたことや、2シーターでほとんど荷物が搭載できないことなどで、販売的には決して成功したモデルではなかった。

ただ、2017年に純正部品の再生産が行われるなど、登場から28年が経ったいまでも根強い人気を誇るモデルとなっている。2015年にはビートの実質的後継車といえるS660が発売されている。

ビートの車両価格

138万8000円

ビートの主要諸元

全長×全幅×全高=3295×1395×1175mm
ホイールベース=2280mm
車両重量=760kg
エンジン=E07A型656ccSOHC
最高出力=64ps/8100rpm
最大トルク=6.1kgm/7000rpm
10モード燃費=17.2km/L

1991年(平成3年)には何があった?

ニュース

●横綱・千代の富士引退、若貴ブーム
●ジュリアナ東京オープン
●雲仙普賢岳で火砕流発生

ヒット曲

●ラブ・ストーリーは突然に 小田和正
●SAY YES CHAGE&ASKA
●愛は勝つ KAN
●どんなときも。 槇原敬之
●はじまりはいつも雨 ASKA

This article is a sponsored article by
''.