2017年のル・マン24時間レース、TOYOTA GAZOO Racingは史上最速のポールポジションを獲得するなど順調な滑り出しを見せたが、終わってみれば2台がリタイア、残る1台は9位に入ったものの、悲願の初優勝には届かなかった。トヨタに何が起こったのか? 陣営のコメントを集めてみた。

トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田 章男氏のコメント

画像: トヨタ自動車株式会社 取締役社長 豊田 章男氏のコメント

「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

本来であれば、応援いただいたファンの皆さまへの感謝の言葉が先ず最初に発せられるべきですが、今回のル・マンだけは、どうしても…この言葉を私からドライバー達に一番に掛けてあげなければいけないと思っています。

ドライバー達は、初めてル・マンに来る私に、「一緒に表彰台の真ん中に上ってほしい…」「そのために絶対に負けたくない…」「だから共に戦ってくれ…」と言ってくれました。

だからこそ、私からは、「思いっきり走れ。メカのつくったクルマを信じて、ル・マンを楽しんで。」という言葉を返していました。

それなのに、思いっきり走らせてあげることが出来なかったことが本当に悔しい…。私たちのクルマを信じて走ってくれていたのに…本当に申し訳ない…。その気持ちでいっぱいです。

おそらく、この気持ちは、この戦いに向けクルマをつくってきたトヨタのエンジニア、メカニック、そしてパーツサプライヤーの方々、皆、同じ想いなのだと思っています。

なので、そのみんなの気持ちも背負い、代表して、ドライバー達へもう一度、改めて言います。

「思いっきり走らせてあげられなくてゴメン…。」

そして、その9人のドライバー達も含めて、トヨタチームに関わった全ての人の想いを二つ、私から述べさせてください。

ひとつは、ファンの皆さまへ。

トヨタの勝利を信じて応援してくださったファンの皆さま、期待に応えられず本当に申し訳ありませんでした。

そして、24時間、最後まで我々を信じ、熱く応援いただけたことに心から感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。

再び、皆さまと共に笑顔になれる日を目指してまいります。

もうひとつは、ポルシェチームへ。

昨年の戦いの後、ポルシェの皆さまから我々をライバルと認めて頂けるような嬉しい言葉を数々いただきました。

“ライバル”と言っていただけたことに応えるためには今年また、ファンの皆さまを魅了するような素晴らしい戦いをさせていただくことだと考えておりました。

だからこそ、チームは新しい技術・技能を生み出すことにも果敢にチャレンジして来ることができました。

ポルシェチームの皆さま、おめでとうございます。そして、ありがとうございました。

しかし、昨年のようにファンの皆さまを魅了させるような戦いを実現することが出来ませんでした。

今回、ポルシェも、我々トヨタも…ル・マンの道に挑んだハイブリッドカーは24時間を無事に走り切れませんでした。

優勝した2号車でさえも、完走した我々の8号車もトラブルにより時間のかかる修理を余儀なくされて、ようやく辿りついたゴールでした。

世界耐久選手権を通じて高めてきたハイブリッド技術は、6時間レースでは、その能力を発揮しきれても、ル・マン24時間の道のりでは、まだまだ歯がたたないということかもしれません。

電気の力は、クルマがもっとエモーショナルな存在になるために絶対に必要な技術です。

ル・マンは、その技術に挑戦し続け、極限の環境で試すことの出来る貴重な実験場です。これからも、この場を、大切にしていきたいと思います。

もっともっと技術に磨きをかけ、熟成させ、お客様に本当に笑顔になっていただける技術を…そしてもっといいクルマづくりを続けるために、これからも我々トヨタは、努力を重ねてまいります。皆さま、ご期待いただければと思います。よろしくお願いいたします。

トヨタ自動車株式会社 取締役会長 内山田 竹志氏のコメント

画像: トヨタ自動車株式会社 取締役会長 内山田 竹志氏のコメント

TOYOTA GAZOO Racingのル・マンでの戦いに大きな期待を寄せ、熱い熱い声援を送っていただいたファンの皆さまに感謝の気持ちと、申し訳ない気持ちの両方で今、私は満たされています。

皆さま、本当にありがとうございました。そして、期待に応えられず申し訳ありませんでした。

昨年の走り切れなかった3分を取り戻そうという気持ちは我々だけでなく、ファンの皆さまも同じだったものと思います。

私自身、何度も、このル・マンの地に来ていますが、レースが始まる前から「トヨタ!トヨタ!」という声が、これほどまでに聞こえたことはありませんでした。

そして、夜遅くなり、我々が1台だけの戦いとなってからも、トヨタのピットの向かい側には多くのファンが残ってくださっており、旗を振り続け、声援を送り続けてくださいました。

おそらく、日本でも、画面の前で同じようにしていただけていた方が沢山いらっしゃると思います。

その皆さまとゴールの瞬間を笑顔で迎えたいと、この1年間、それだけを考え、エンジニア、メカニック、そしてサプライヤーの皆さまが心をひとつに、ワンチームになって努力を重ねてまいりました。しかし、それが果たせなかったこと、本当に悔しく思います。

準備をどれだけ重ねても、レースでは、やはり想像しえないことが起こります。7号車、8号車、9号車に起きたそれぞれの不具合やトラブル…残念ですが、私たちには、まだまだ足りないものが残されていました。

しかし、1台だけになっても、少しでも長く距離を走ろうとプッシュし続けた8号車の“闘志”や“諦めない気持ち”は、私たちに残された大事なパーツです。

“諦めない気持ち”で、足りなかったものを、再び探し集め、また来年、この場に戻ってまいります。もう一度、我々にご声援を送っていただければと思います。応援いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表のコメント

画像: 佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表のコメント

昨年の敗戦以来、関係者で全力を尽くして準備を行い、再度トップを争える車両をル・マンに持ち込みましたが、結果はとても厳しいものとなってしまいました。練習走行から順調に運び、決勝でもライバルとの厳しい接戦を優位に進めることが出来ました。ドライバーをはじめ、エンジニア、メカニックの皆がこの一週間素晴らしい働きを見せてくれたことに感謝をしたいと思います。勿論、優勝したポルシェに対しても心からお祝いを述べたいと思います。また、ファンの皆様には多くの暖かい応援を頂きましたが、我々は優勝トロフィーを持ち帰ることが出来ませんでした。今回深夜に起こしてしまったダブルリタイアは当然受け入れられないものだと思います。同じことを繰り返さないの取り組みをして参ります。そして、必ずもっと強くなり、更に強い決心のもと、再びル・マンに挑戦したいと思います。

小林可夢偉(TS050 HYBRID 7号車)のコメント

画像: 小林可夢偉(TS050 HYBRID 7号車)のコメント

我々のレースになると思っていただけに、本当に残念です。セーフティカー導入の間にピットインを行い、ピット作業の後、マーシャルからコースへ出て良いと指示されたので発進しました。その時後方から、セーフティカーがやって来たので、停止しろとの指示を受け、セーフティカーの後ろにつくために、クラッチを使ってエンジンパワーで、再スタートをしようとしたのですが、通常は行わない操作だったため、クラッチが壊れてしまいました。もしピットレーンに留まっていれば、TS050 HYBRIDはモーターのみを使ってスタートをするのですが、既にピットから出ていたため、その操作が出来ませんでした。またしても、我々はル・マンで勝つことがどれだけ難しいかを思い知らされました。再度勝利を争うべく、必ず戻って来ます。

中嶋一貴(TS050 HYBRID 8号車)のコメント

画像: 中嶋一貴(TS050 HYBRID 8号車)のコメント

今回のル・マンもチームにとって厳しいレースでした。本当に言葉がありません。ただひとつ言えるのは、来年も挑戦しなくてはならないということです。我々には速いTS050 HYBRIDがありましたが、まだ、何かが足りなかったということでしょうか。ハードワークで準備して来たにもかかわらず、予想外の様々なアクシデントに見舞われました。来年はさらに充分な準備をして、よりハードに戦わなくてはなりません。

国本雄資(TS050 HYBRID 9号車)のコメント

画像: 国本雄資(TS050 HYBRID 9号車)のコメント

私にとって初めてのル・マン24時間は残念なレースに終わりました。初めての経験を楽しみ、トラブルに見舞われるまでは納得いく走りを見せられたと思います。9号車が止まっているのを見たとき、ここまで仕上げてくれたチームスタッフのハードワークを見ていただけに、本当に落胆しました。彼らの働きに感謝します。そして、彼らのためにも良い結果を持ち帰りたかったのですが、厳しい結果となってしまいました。またル・マンに戻って来て必ず雪辱を果たしたいと思っています。

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