イギリスの高級車、ベントレー。実は今、この伝統と格式のある高級車が、これまでとは異なるユーザー層に大いに受けている。それはなぜなのか。ベントレーの新しい乗りこなし方とはどんなものなのか。連載企画の最後を飾る今回はコンチネンタルGT コンバーチブルを中心に世界の高級車に詳しいモータージャーナリスト、大谷達也さんと西川淳さんに語ってもらった。
画像: ベントレー コンチネンタルGT スピード コンバーチブル。いかにもゴージャス。

ベントレー コンチネンタルGT スピード コンバーチブル。いかにもゴージャス。

コンバーチブルは究極の贅沢という意味でいちばんベントレーらしいですね。

西川 買うんだったら、インテリアをどうするか、6カ月くらいかけて悩みたいですね。ルーフを開けて“自分のセンス”を街行く人に見せつけることができるんですから。

大谷 たしかに、そのとおりですね。

コンバーチブルとはそもそもどういうクルマなのでしょうか?

大谷 イギリス人って、コンバーチブルを含め、オープンカーが大好きです。これは私見ですが、その根底にはクルマから不要なものをそぎ落とす、つまり“足るを知る”という考えがあると思うんです。そして自分でハンドルを握ると、その“足る”という部分がとても心地いい。そして贅沢なコンチネンタルGTコンバーチブルも、この“心地よさ”の素地は共通です。忙しい毎日を過ごすなかで、ふと屋根を開け、空気や光を味わってゆったりと走る。そうした一瞬での気分転換をもたらすクルマなんです。

西川 速く走れるけど、速く走るクルマじゃないんです。

画像: ベントレー コンチネンタル GT スピード コンバーチブル。ボディカラーは目に鮮やかなブルー。

ベントレー コンチネンタル GT スピード コンバーチブル。ボディカラーは目に鮮やかなブルー。

ルーフはハードトップではなくキャンバストップです。そこにはどんな狙いがあるのでしょうか?

大谷 そもそも、かっこいいんです。キャンバストップは。

西川 見た目で「ああ、開くんだろうな」と、他人にもひと目でわからせるものがありますよね。“オープンカーと暮らす”という生活を想像させるわけです。しかしリトラクタブルのハードトップにはそれがない。なぜなら閉じた状態でも完結していますから。

大谷 そう、ハードトップは完全すぎるんですよ。「何か失っているものがあるんじゃないか」って思わせることこそが粋なんです。

では“失っているもの”は、実際にあるのですか?

大谷 コンチネンタルGTのクーペと比べて、実は失っているものはありません。つまりオープンカーだからと身構えるようなデメリットは、まったくないんです。

西川 逆に“広い空が手に入る”という、大きなアドバンテージがあります。たとえばゴルフに行くとき、コースの手前から屋根を開けて風を感じて走り、リラックスしてプレイに入る。これこそクーペでは得られないメリットでしょう。

大谷 開閉機構もしっかり作られています。開け閉めに何の苦労もいらないし、30km/hまでなら走行中でも操作できます。この30km/hまでというのが絶妙なんです。赤信号で止まり、開閉途中で信号が変わっても、発進加速の途上で操作が完了しますから。あとオープンモデルということで、静粛性やボディ剛性が不安という人もいらっしゃるでしょう。しかしその心配は無用です。

コンチネンタルGTコンバーチブルはどのような方が乗っていますか?

西川 自分の知る限りではスーパーカーも同時所有という人が大半です。つまりクローズドのクーペでは、スーパーカーと世界観がよく似てしまう、って言うんですよね。どうせなら屋根が開くという別の個性をもったクルマで、別の世界を楽しみたいということなのでしょう。

画像: ゴルフのキャディバッグは助手席に置き、シートベルトで固定するという方法もある。 「撮影協力:TUMI(http://TUMI.co.jp)

ゴルフのキャディバッグは助手席に置き、シートベルトで固定するという方法もある。

「撮影協力:TUMI(http://TUMI.co.jp)

コンバーチブルは目をひくクルマです。気恥ずかしさはないですかね。

西川 たぶんそんな風に考える人は、そもそもベントレーを選んだりしませんね。似合う、似合わないって、本来は自分が決めることじゃない。結果的にベントレーが似合う人って、逆にコンパクトカーのほうが落ち着かなかったりする。そういうものだと思います。

大谷 ボクなんかも当然のことながら身の丈に合ってないと思うんですが、実際に乗ってみると、なんだかフェアに付き合えるんです。自然体で落ち着いて走れる、不思議な感覚があります。

画像: 西川淳(にしかわじゅん)<左>:スーパーカーブームの時代からクルマが大好きでモータージャーナリストに。大谷達也(おおたにたつや)<右>:自動車専門誌の編集者からフリーへ。オールマイティなジャーナリスト。

西川淳(にしかわじゅん)<左>:スーパーカーブームの時代からクルマが大好きでモータージャーナリストに。大谷達也(おおたにたつや)<右>:自動車専門誌の編集者からフリーへ。オールマイティなジャーナリスト。

自然体で乗れる高級車って素晴らしいですね。

西川 そこがベントレーのドライバーズカーたるゆえんでしょう。クルマ好きの心に応えるクルマ作りをしているから、ハンドルを握った瞬間にそんな“身の丈”などは心から消えてしまう。「自分なんて、まだベントレーに乗る立場じゃない」って思っている人がいたら、ぜひ一度乗ってみて、あらためて心に問うてみて欲しいと思います。

大谷 一歩足を踏み入れたら、きっと心に馴染むクルマであることがおわかりいただけるでしょうね、きっと。

西川 ベントレーを選ぶ人の多くは、新旧含めてクルマを知り尽くしている人だと思います。そこに年齢は関係ありません。

大谷 たとえ高級車と呼ばれるクルマでも、信頼性が低かったり、長距離乗ると不満が出るものもあります。またリセールバリューに問題があるブランドもあります。しかしベントレーに限って言えば、そうした不安は皆無です。

西川 だからこそ、本当にクルマを知る人に選ばれるブランドたり得るんでしょうね。

画像: 【360°動画】BENTLEY コンチネンタルGT スピード コンバーチブル youtu.be

【360°動画】BENTLEY コンチネンタルGT スピード コンバーチブル

youtu.be

ベントレー コンチネンタルGT スピード コンバーチブル 主要諸元

全長×全幅×全高:4820×1945×1390mm
ホイールベース:2745mm
車両重量:2530kg
エンジン:5998cc W12DOHCツインターボ
最高出力:642ps/5900rpm
最大トルク:840Nm/2000rpm
トランスミッション:8速AT
乗車定員:4名
車両価格:2930万円

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