フルモデルチェンジしたプジョー 3008は、2016-17 ヨーロッパCOTYを獲得した。新プラットフォーム、ユニークなインテリア、そして精悍なスタイルに加えて、走りはどうだろうか。

プジョーらしさが際立つスタイリング

SUVに注力していくことを宣言したプジョーの最新作、2代目となる新型3008は、まず内外装のデザインが素晴らしい。初代とは打って変わったスタイリングは、プジョーらしさがより際立ったように見える。

ドライバーを囲み、大胆に段差を設けた斬新なデザインのインテリアも目を見張る。小径ステアリングの上にメーターが見える独自の「i-コクピット」は、より見栄えと利便性を高めるべく進化。新感覚のシフトbyワイアのATセレクターも、直感的に操作できて使いやすい。

大開口のパノラマガラスルーフは前半分が開くようになったのも新しい。後席の居住空間も申し分なし。平均的な成人男性の体格である筆者が座って、頭上もひざ前も十分に余裕があるし、前輪駆動ゆえプロペラシャフトがないのでセンタートンネルの張り出しもなく、足下は広々としている。
トランクも520Lと十分な広さ。レバーを引くとワンタッチで背もたれが倒れ、座面が沈み込んで低くフラットなスペースが出現する。もはやこのクラスでも常識となってきたハンズフリー電動テールゲートもぬかりなく設定されている。

エンジンはディーゼルの導入予定も発表済みだが、今回試乗したのはガソリン。165ps/240Nmというスペックは、1.6Lターボとしてはなかなかのもの。組み合わされるのがトルコンATというのもポイント高し。パドルシフトも標準装備だ。ドライバースポーツパックをONにすると、より走りが元気になる。ただし、エコカー減税の対象でないのが惜しい。
足まわりもプジョーらしい味付けだ。一時期は硬くなったと評されがちだったプジョーだが、最近の208や308には往年の“猫足”が復活してきたように感じていたところ、3008もまさしくその延長上にある。

しなやかな中にも引き締まった感覚があり、ストローク感がありながらも姿勢変化を抑える、絶妙な味付け。これには軽量かつ剛性の高い新開発プラットフォームの恩恵も小さくないはず。身のこなしは軽やかで、かつ直進安定性も高く、長めのホイールベースも効いて高速巡航も大得意だ。
お世辞抜きで、このクラスでいきなりトップの出来栄えになったといえるのではないだろうか。新型3008は、SUVにかけるプジョーの本気ぶりをうかがわせる、入魂の1台だった。
(文:岡本幸一郎 写真:MazKen、ほか)

プジョー 3008 GTライン 主要諸元

全長×全幅×全高:4450×1840×1630mm
ホイールベース:2675mm
重量:1460kg
エンジン:直4 DOHCターボ・1598cc
最高出力:121kW(165ps)/6000rpm
最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1400-3500rpm
JC08モード燃費:14.5km/L
ミッション:6速AT
タイヤ:225/55R18
価格:396万円

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