ポルシェ911 GT3はレーシングカーと同じサーキットで開発され、生産ラインも同じ。最新型のスペシャルモデルは、歴代でもっともバランスの優れたモデルに仕上がっている。
文:島下泰久/写真:ポルシェ・ジャパン

ポルシェ911 GT3のエンジンは新設計!4Lに拡大して最高出力・最大トルク向上

1999年、つまりタイプ996の世代にデビューして、今年で18年。ポルシェ911 GT3がずっと貫いてきたのが、サーキットでのパフォーマンスを何より重視する姿勢である。スペインの一般道とサーキットで試したタイプ991の後期型になる最新型も、やはりそこには何のブレもなかった。改めて進むべき道を徹底的に突き詰めた、比類無い1台に仕上がっていたのだ。

スペックでまず注目したいのがエンジンだ。水平対向6気筒エンジンは自然吸気のまま、従来の3.8Lから4Lへと排気量が拡大され、最高出力500ps、最大トルク460Nmを実現。この数値は911 GT3 RSや限定販売された911 Rと同等だが、実はこのエンジンは新設計である。911 GT3カップや911 RSRといった純レーシングカー用と基本設計を共有するこのエンジンは、911 GT3 RSの8800rpm、911 Rの8500rpmを上まわり、先代GT3と肩を並べるレブリミット9000rpmを達成する。

画像: ポルシェ911 GT3のエンジンは新設計!4Lに拡大して最高出力・最大トルク向上

ギアボックスはPDK(DCT)に加えて、シフトフィールを重視してあえて6速としたMTを用意した。これは熱烈なユーザーの声に応えたものだ。

空力性能も、さらに突き詰められている。ラテラル(縦方向)エアブレードを備えたフロントバンパー、新しい形状のリップスポイラー、フロア下の整流、リア大型ディフューザーの搭載、リアウイング高を20mm嵩上げしたことで、Cd値を悪化させずに最大ダウンフォース量を20%向上させている。

もちろんシャシもリファインされている。タイヤは新設計とされ、スプリングレートは踏襲しつつもダンパーをリセッティング。リアにはリバウンドスプリングを用いる。

路上に出ると、まずは快適性の向上ぶりに舌を巻いた。非常にしなやかに動くサスペンションのおかげだ。もっとも、エンジン音が盛大に侵入してきて、とても静かとは言えないのが、単独乗車ならデイリーユースも余裕でこなせるだろう。

そして、何より感動させるのがエンジンである。GT3 RS/Rと比較しても、低回転域から滑らかさが増していることが実感できる。しかも高回転域では、様々なノイズと吸気音が複雑に絡み合った、何とも言えない甘い響きが奏でられるのだからたまらない。

ポルシェ 911 GT3 主要諸元(EU準拠)

●サイズ:全長4562×全幅1852×全高1271mm ●ホイールベース:2457mm ●車両重量:1430kg ●エンジン:水平対向6気筒 DOHC・3996cc ●エンジン最高出力:368kW(500ps)/8250rpm ●最大トルク:460Nm/6000rpm ●駆動方式:RR ●トランスミッション:7速DCT(PDK)

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