熟成期を迎えてもボルボの最量販車として高い人気を誇るXC60が2世代目となった。新型はデザインや安全・運転支援装備、動力性能など全方位で進化している。(後編)
前編を見逃した方はこちらから→http://web.motormagazine.co.jp/_ct/17106865
文:石川芳雄/写真:Volvo Cars

ボルボ新型XC60は安全・運転支援装備も進化。現時点ではベストなSUV

D5の凄みのあるトルク感は魅力的なのだが、当面日本導入予定はなく、時期は未定ながらディーゼルはD4が上陸する模様。そこで今回はガソリンのハイパワー版となるT6 AWDを中心に試乗した。

走り出して最初に感じたのが乗り心地の良さだ。SPAを採用した90シリーズはどれもしなやかな乗り心地を魅力としているが、XC60はその最新版だけあってサスペンションの動きがさらに繊細になった感じ。微少ストローク域からよく動き、当たりが極めてマイルドなライドフィールを実現していた。

画像: 全長・全幅を拡大しつつ全高を低められたボディは、XC90とは少しテイストを変えて軽快でスポーティなイメージを強めている。

全長・全幅を拡大しつつ全高を低められたボディは、XC90とは少しテイストを変えて軽快でスポーティなイメージを強めている。

255/45R20というタイヤを履きながら、ギャップに乗ってもバネ下の暴れなどをまったく感じさせないこのスムーズな乗り味は、現時点でSUVのベストと言っても良いかも知れない。試乗車はオプションのエアサスペンションと可変ダンパーを装備しており、ダイナミックモードでは減衰力も高まるのだが、その状態でも荒さを感じることは皆無だった。

スーパーチャージャーとターボの連携が巧みなT6エンジンは、低速域からトルクがある上に、6500rpmのリミットまでスッキリ吹け上がる伸びの良さを併せ持っている。8速ATのシフトも極めてスムーズで、シャープな回転フィールとダイナミックな加速感が楽しめた。ちなみに0→100km/h加速は5.9秒と発表されているから、動力性能の余裕は十分。ただ、XC60も90シリーズ各車と同様に、パドルシフトはRデザインの専用装備で、今回試したインスクリプションには設定がない。

ボルボ得意の安全/運転支援装備も進化した。脇見運転などで対向車線にはみ出した場合、自動ステアで車線に戻すオンカミング レーン ミディケーションが加わった上に、側後方から近づく車両を警告するBLISに、気付かずレーンチェンジを始めると車線に押し戻すステアリングサポートが加わっている。いずれも車線維持機能のパイロットアシストのステア制御を積極利用したものだ。

走り、デザイン、装備のいずれもが最新レベルとなったXC60は、先代以上の人気を得るポテンシャルを秘めている。日本導入は秋頃を予定しているが、日本でも早くハンドルを握ってみたい1台である。

ボルボ XC60 T6 AWD 主要諸元(EU準拠)

●サイズ:全長4688×全幅1902×全高1658mm ●ホイールベース:2865mm ●車両重量:1814kg ●エンジン:直列4気筒 DOHC・1969cc ●エンジン最高出力:235kW(320ps)/5700rpm ●最大トルク:400Nm/2200-5400rpm ●駆動方式:4WD ●トランスミッション:8速AT

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