国産メーカーが本格的なスポーツカーを作り始めた1960年代から、昭和最後の年となった1988年までの国産スポーツカーを振り返る短期連載。今回は日野・コンテッサをご紹介します。

日野・コンテッサクーペ/セダンは、ジョバンニ・ミケロッティによりデザインされ、その美しいデザインは国内外から高い評価を受けました。ただし、その特徴は外観だけではありませんでした。リアに搭載された 1251ccのGR100型・直4OHVエンジンは最高出力 65ps/5500rpm、最大トルク 10.0kgm/3800rpmを発生。ステアリングは当時として珍しいラック&ピニオンを採用し、サスペンションは硬めにしてロールを抑える設定にするなど、走りにもこだわっていました。そして、その性能は 66年 11月の第9回リバーサイド・タイムスGPレース(USA)でクーペが総合優勝、67年のルソン島一周耐久レースでも 1、2位を独占。このほかに国内レースでも活躍するといったかたちで発揮されたのでした。

クーペの価格は 85.8万円と当時としては高額なクルマで、フェアレディ1500の 88万円よりもわずかに抑えられた設定でした。しかし、インパネには高級車にふさわしいウッドパネルを用いるなど、スペシャリティカーとしての性格も持っていました。また、DOHCエンジンを搭載する計画もありました。しかし、それは実現せずコンテッサの生産は 67年 8月に終了してしまいます。短命なモデルではありましたが、スペシャリティカーというジャンルがなかった時代に、それに近い性格を持ったクルマとして登場した日野・コンテッサ。その美しいスタイルは、生産終了から半世紀を経た現代においても多くのファンを魅了し続けています。

日野・コンテッサ 1300 クーペ 主要諸元

■全長4150×全幅1530×全高1340㎜
■ホイールベース:2280㎜
■車両重量:945kg
■トランスミッション:4速MT
■サスペンション形式:前=ダブルウイッシュボーン(コイル)/後=スイングアクスル
■エンジン:GR100・直4OHV 1251㏄

画像: こちらは 4ドアセダン。エンジン型式、排気量はクーペと同じだが、最高出力 55ps/5000rpm、最大トルク 9.7kgm/3200rpmとやや控えめだった。

こちらは 4ドアセダン。エンジン型式、排気量はクーペと同じだが、最高出力 55ps/5000rpm、最大トルク 9.7kgm/3200rpmとやや控えめだった。

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