ビッグマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツSクラスが日本に導入された。その進化ぶりは、間もなく発表される新型レクサスLSなどのライバルに、新たな差をつけることができたのだろうか? 岡本レポーターによるインプレッションをお届けする。

高級感はもちろん、スポーティさも増す

現行型の登場から4年。今回のマイナーチェンジでは、デザインの刷新、技術の刷新、走行環境適合性における進化という3つの柱を掲げている。
いまやSクラスでもスポーティなルックスのほうが好まれ、AMGラインの販売比率が高くなっており、それを受けて持ち前のモダンラグジュアリーに加えて、よりスポーティさと高級感が増した。また、これまでV12エンジン搭載車とマイバッハのみだったツインルーバーのフロントグリルが全車に与えられるなど、全体的にさらに見栄えが良くなった。

技術面では、「インテリジェントドライブ」の進化により、もともと優れていた安全性は、さらに一歩前進した。Eクラスに続いて自動で安全確認して車線変更する「アクディブレーンチェンジアシスト」が新たに機能を加えて採用され、より使いやすくなった。また、停車して30秒以内であれば自動的に再発進するなど渋滞路での追従走行もしやすくなった。
その他、機能のひとつひとつがどうであれば使いやすいか、よく考えられているように感じた。また、スマホを使ってクルマから降りて遠隔操作で駐車もできる「リモートパーキングアシスト」を装備したのも新しい。

画像: クルマの外からスマホの操作で駐車が可能なリモートパーキングアシストを試す。運転席に人は乗っていない!

クルマの外からスマホの操作で駐車が可能なリモートパーキングアシストを試す。運転席に人は乗っていない!

パワートレーンはほぼ全面的に変更された。「S560」と「AMG S63」には、AMG GTに由来する4L V8ツインターボがスペックを差別化して搭載される。一方、これまでマイルドハイブリッドだった、「400」の数字が付くガソリンのエントリーモデルには、3L V6ツインターボが与えられた。

「S400」と「S560」を乗り比べるとサウンドや加速の力強さに、やはりそれなりに違いは感じるものの、これまでと比べるとその差はかなり縮まったといえる。これには新採用の9速ATも効いていそうだ。
また、Sクラスといえば前期型も新しいパワートレーンが順次ラインアップに加わったことも記憶に新しいが、今後もいろいろと用意されているようなので、楽しみにしたい。

試乗は高速道路を主体に走ったが、相変わらずフラットで安定した乗り味はこの上ない。おかげでずっと安心して乗っていられるし、どこまでも走っていけそうなほど疲労感も小さい。
また今回、OEMタイヤがランフラットでなくなったこともお伝えしておこう。とはいえ乗り心地に若干の硬さを感じたのだが、試乗車の走行距離はまだ少なく、もう少し距離を走るとだいぶ様子は変わりそうだ。

また今回の試乗車には装着されていなかったのだが、現行型の登場時に大いに話題となった「マジックボディコントロール」が欲しいところだ。新たに採用されダイナミックカーブ機能がどんなものかも気になるところだ。

全体としては、ユーザーの声を反映し、すべてにおいて進化を果たしたSクラスは、むろんSクラスなのでそれなりの価格だが、金額に対して得られる価値の大きさは、さらに一段高くなったように思える。
(文:岡本幸一郎/写真:玉井 充)

メルセデス・ベンツ S400(S560 4MATIC ロング) 主要諸元

全長×全幅×全高:5125×1900×1495(5285×1915×1495)mm
ホイールベース:3035(3165)mm
重量:1970(2250)kg
パワーユニット:V6DOHCツインターボ・2996cc(V8DOHCツインターボ・3982cc)
最高出力:270kW<367ps>/5500-6000rpm(345<469>/5250-5500)
最大トルク:500Nm<51.0kgm>/1600-4000rpm(700<71.4>/2000-4000)
ミッション:9速AT
タイヤ:245/50R18(前245/45R19、後275/40R19)
価格:1128万円(1681万円)

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