フル電動のフォーミュラカーによる国際レース、FIAフォーミュラE選手権。2014年から始まったこのレースは、2017年12月からシーズン4に突入する。その初戦と第二戦(ともに香港で開催)に小林可夢偉が参戦することとなり、そして2017年11月22日に記者会見が開催された。

テストなしのぶっつけ本番! 小林可夢偉は香港で開催されるRd.1-Rd.2を連戦。

小林可夢偉はF1ドライバーとしての経験を持ち、2017年はWEC(世界耐久選手権)やスーパーフォーミュラ、スーパーGTといくつものレースを掛け持ちしている。そんな人気ドライバーが今度はフォーミュラEに参戦することを発表した。

小林のフォーミュラEデビュー戦となるのは、香港で2017年12月2日と翌3日に開催される2017-2018シーズンRd.1とRd.2の2戦。所属するのはアメリカのMS&ADアンドレッティチーム(昨シーズンは7位)だという。驚かされたのは、これまでテスト走行をするチャンスがなかったということだ。文字どおりぶっつけ本番の勝負となる。

画像: MS&ADアンドレッティチームでフォーミュラEへの参戦を表明した小林可夢偉。

MS&ADアンドレッティチームでフォーミュラEへの参戦を表明した小林可夢偉。

ただそんな状況にもかかわらず、これまでのレース経験があるためかネガティブな要素を一切感じさせない会見だった。「最高速は230km/h程度に制限されているものの、路面状況の悪い市街地コースのため思ったより難しいレースだと聞いている。ただそれよりも、バッテリーやモーターなど電気自動車の知識やノウハウを取り込み、ドライバーとしての“引き出し”が増えることに意義がある」と話し、その逆境をむしろ楽しんでいるかのようだ。

また、フォーミュラEにはオリジナルのルール「ファンブースト」がある。レース当日までにSNSでファン投票を行い、その上位3名のドライバーには数秒間だけモーターパワーを強くすることのできる権利が与えられるのだ。「ボクに投票が集まれば、日本人がフォーミュラEに興味があるということ世界に示すことができる。これは日本ラウンド開催にもつながるかもしれない」とファンに呼びかけた。

今後の展開が気になるフォーミュラEの盛り上がり

このフォーミュラE、日本においてはまだまだ認知度の低いレースではあるが、国際的には人気が高まりつつあるカテゴリーだ。それは参戦している&参戦を表明している自動車メーカーの数からもうかがうことができる。

昨シーズンはルノーやジャガー、アウディ、DS・シトロエンなど10チームで争っていたが、最近参戦を表明する自動車メーカーが相次いでいる。BMWやポルシェ、メルセデス・ベンツというドイツプレミアムブランドが表明、さらに日産自動車が先日の東京モーターショーで参戦すると発表した。FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が興味を示しているという話もある。

これだけ盛り上がりを見せれば当然日本での開催も期待される。実際、フォーミュラEジャパンでは東京や横浜などの都市での日本ラウンド開催を模索しているという。小林可夢偉のような日本人ドライバーが年間シートを獲得し、国産自動車メーカーが参戦するとなれば、その機運はさらに高まることだろう。

ちなみに昨シーズン、テレビ朝日系列の深夜枠でハイライトが地上波でテレビ放送されていた。これはぜひとも2017-2018シーズンも期待したいところだ。

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