フルモデルチェンジを果たして4代目となったルノーのCセグメントモデル、メガーヌが、10月4日に日本に上陸。今度のメガーヌは4輪操舵「4コントロール」など走りの装備が魅力だ。さて、どう進化したのか。
画像: 5ドアハッチバックのメガーヌGT。ワゴンモデルのメガーヌ スポーツ・ツアラーGTもある。

5ドアハッチバックのメガーヌGT。ワゴンモデルのメガーヌ スポーツ・ツアラーGTもある。

グイグイと鼻先がコーナーに入る新鮮さ

ヨーロッパではフォルクスワーゲン・ゴルフやプジョー308などの強力なライバルとして人気のあるCセグメントモデルが、ルノーメガーヌだ。今回、フルモデルチェンジを果たした4代目が日本に上陸した。

132ps/205Nmのスペックを持つ1.2Lターボエンジン搭載のメガーヌGTライン(263万円)も一応存在するが、メインとなるのは205ps/280Nmを発生する1.6Lターボエンジンを搭載したスポーツモデル「メガーヌGT」だ。5ドアハッチバックのほか、全長がプラス240mm/ホイールベースが40mm長いワゴンモデル「メガーヌ スポーツ・ツアラーGT」も用意する。


まず、試乗したのはハッチバックモデルのGT。ルノーモデルのお約束どおり、この「GT」グレードはあのルノー・スポール(R.S.)の手により、専用のチューニングが施されている。スプリングやダンパー、アンチロールバー、ステアリングなどがそれ。ブレーキ径も1.2LのGTラインに比べて大径化。キッキングプレートやリアエンブレムなどにも誇らしげに「RENAULT SPORT」の文字が入る。

画像: リアスタイル。

リアスタイル。

画像: 運転席ドアを開けると「RENAULT SPORT」のプレートが目に入る。

運転席ドアを開けると「RENAULT SPORT」のプレートが目に入る。

エクステリアでは、ダイナミックなボディラインを備えた個性的なプロポーションになっているのが特徴だ。とくにお日さまの下で見たときと夜とでは、その印象が変わるほど繊細なデザインとなる。また「Cシェイプ」と呼ばれるフルLEDランプを搭載、イマ風の雰囲気を醸し出している。


室内も、フルカラーのTFTメーターなどで、従来のルノーモデルとはひと味違うテイストだ。ヘッドレスト一体型のスポーツシートはアルカンタラで、上質感とスポーツ感を両立する。

画像: フルカラーTFT液晶のメーターを採用する。

フルカラーTFT液晶のメーターを採用する。


スタートボタンを押しエンジン始動、走り出す。トランスミッションは、ルノーモデルとしては初めて採用された7速湿式DCT。VWのDSGのような直結感は薄いが、とても滑らかな変速で、トルコンATに慣れた人にはこちらのほうが扱いやすそう。ステアリングコラム直付けの大型パドルシフトと相まって、積極的に変速を行いたくなるレスポンスを持っている。

画像: 大型のパドルシフトはコラム直付けタイプ。左手側を引くとシフトダウン、右手側を引くとシフトアップ。

大型のパドルシフトはコラム直付けタイプ。左手側を引くとシフトダウン、右手側を引くとシフトアップ。


4輪操舵の「4コントロール」を装備するのがメガーヌGTの特徴だ。60km/h以上では前輪と同一方、60km/h未満では逆方向にリアを動かすシステムで、コーナリングでの安定性と取り回しの良さを両立するという。最近ではレクサスやポルシェ、BMWなど高級スポーツ系で採用される4輪操舵システムだが、このクラスでの採用は珍しい。


まず、その効果は、車庫入れや狭い交差点など日常シーンで気がつく。思った以上に小回りが利き、ひとクラス下のクルマを運転しているようなサイズ感覚になる。


では、その走りはどうか。

まずはコーナーでグイグイとノーズが入り、曲がっていく感覚が面白い。「こりゃどアンダーになるな…」というオーバースピード気味で突っ込んでも、難なくクリアしていく。スキール音も発生しにくい。

これは違和感というよりも、新しい感覚だ。しかもロール感をともないながらも、どんな状況でも路面との接地感が変わらない、古き佳きフランス車の、懐かしい「あの」感覚もあるから、そのバランスが非常に新鮮に感じた。

また、「ルノー・マルチセンス」と呼ばれる4つの走行モードを選ぶ機能もある。これはアクセルペダルマッピング/パワステの手応え/変速マッピング/4輪操舵マッピングを変更するもので、「コンフォート」「ニュートラル」「スポーツ」「パーソナル」を選択できる。スポーツモードを選べば、ローンチコントロールも使うことができるものだ。スポーツを選べばエンジン音も高らかになり、高揚した気分になる。日常と非日常を使い分けることができるのも新型メガーヌの魅力のひとつだろう。

画像: ルノー・マルチセンスの選択画面。Persoは、自分の好みに合わせ任意の設定ができる。

ルノー・マルチセンスの選択画面。Persoは、自分の好みに合わせ任意の設定ができる。

画像: グイグイと鼻先がコーナーに入る新鮮さ

惜しいのは最新安全装備

惜しいのは、最新安全装備。いや、車間距離警報やエマージェンシーブレーキサポート、車線逸脱警報など、“いま”の安全装備は用意してはいるが、たとえばアクティブクルーズコントロールだとか、レーンキープアシストだとか、最近の新車ではほとんどのクルマで用意されるモノが選択できないのは、ちょっとマイナスだ。フロントカメラも付いているし、ミリ波レーダーもあるし…と考えると、ハードウェアの面ではすでに搭載されているのだが…。

最後に。従来のメガーヌGTは乗り味が相当硬かったのだが、この新型モデルは、後席に家族が乗っても文句が出ないレベルにまで乗り心地が改善されているのは特筆すべきところ。スポーツと日常の2面性を兼ね備えているという部分では、メガーヌR.S.を待たずとも、これは「買い」だと思う。

ルノー メガーヌGT 諸元表

●サイズ=4395×1815×1435mm ●ホイールベース=2670mm ●車両重量=16700kg ●エンジン=直4DOHCターボ 1618cc ●エンジン最高出力=205ps/6000rpm ●エンジン最大トルク=280Nm/2400rpm ●駆動方式=FF ●334万円

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