フルモデルチェンジしたレクサスのフラッグシップサルーン、LS。試乗会ではクローズドコースでLS500(ツインターボ)にも乗れたが、メインはハイブリッドのLS500h。まずは九島レポーターに印象を語ってもらおう。

V8エンジンが搭載されなかった理由は…。

新型LSを初めて見たのは、発表の場となった2017年のデトロイトモーターショー。アメリカでの注目度の高さは人の多さで一目瞭然。ブースはメディアによって埋め尽くされた。
それから先進技術の体験会で少しだけ運転させてもらい、9月にサンフランシスコで行われた国際試乗会へと繋がる。そしていよいよ国内試乗。その出来栄えが気になるのは言わずもがな。開発陣のチカラの入ったコメントを山ほど聞いていただけにハードルは高くなる。

では試乗! その前に簡単におさらい。プラットフォームは先にリリースされたクーペのLCと同じGA-L。特徴は高剛性&軽量化もあるが、ずばりパッケージングの見直し。つまり、エンジン搭載位置や前後の重量配分などを重視した。開発陣は気持ち良くクルマを走らせるために何が必要なのかをもう一度定義し、そこに立ち返った。フロントアクスルとピラーの付け根の距離が長くなったのはそのせいだ。
デザインはクーペライクなシルエットで、ロングノーズに見える。特に今回からロングホイールベースのみとなったので、それが強調された。これまでの“黒塗りの社用車”というより、パーソナルカー的印象が強い。

インテリアはさらに個性的。見事にレクサスなりのラグジュアリーを表現した。レトロモダンなダッシュボードや匠の技で仕上げられたドアトリムは特筆モノ。目にするもの手に触れる部分すべてが高級車に値する。

画像: エンジンカバーとエンジンルームを覆うカバーで、パワーユニット本体はまったく見えない。

エンジンカバーとエンジンルームを覆うカバーで、パワーユニット本体はまったく見えない。

パワートレーンは3.5LのV6ツインターボと同排気量のV6+マルチステージハイブリッドシステムが搭載される。前者がLS500L、後者がLS500hとなる。V8エンジン車はない。LCに搭載された5L V8の自然吸気ユニットは採用されなかった。
その理由はいたってシンプルで、必要がなかったから。V6ツインターボはV8よりも高出力で燃費もいい。重量軽減を含めV8よりメリットは高い。とはいえ、全回転領域でのトルクなどドライバーが体感するV8の魅力はある。そう考えると寂しい気持ちもするが、いずれ追加されることも考えられる。まぁ、そのあたりはマーケットの反応次第だろう。

実際に走らせた印象だが、今回V6ツインターボは限られたスペースでの走りだったので結論までには至らない。クルマの絶対的な速さやコーナリングでの懐の深さは五臓六腑にしみ渡ったが、長距離ではどうなのかという疑問もある。特にFスポーツの4WSはイメージ以上にオーバーステアになるため慣れが必要だろう。ステアリング操作でいろいろな障害を回避できるが、敏感さが少し気になる。
それに対して、しっとりサルーン的に走れ、なおかつ新型の得意とするスポーティな走りが楽しめたのはハイブリッドのAWDモデルだ。低速では走りに鋭さは感じられないが、ある程度スピードが乗ってくると気持ちの良いハンドリングマシンになる。前後のトラクション配分に嫌なクセはなく、スムーズなステリング操作に対し、スイスイ向きを変えてコーナーを駆る。しっとり感のあるスタリングフィールは好みだ。

なんて書き連ねると後席を無視した味付けのように思われるが、そうではない。今回はリアシートの乗り心地も体験し、そのクオリティの高さに驚かされた。これぞVIPの乗り味。これだけ運動性能を高めての仕上がりはさすが。レクサスが目指す高みは、我々が思う以上に上にあるように思える。
(文:九島辰也 写真:井上雅行ほか)

レクサスLS 500h Fスポーツ(エグゼクティブ AWD) 主要諸元

全長×全幅×全高:5235×1900×1450(1460)mm
ホイールベース:3125mm
重量:2290(2390)kg
パワーユニット:V6DOHC+モーター・3456cc
エンジン最高出力:220kW<299ps>/6000rpm
エンジン最大トルク:356Nm<36.3kgm>/5100rpm
モーター最高出力:132kW<180ps>
モーター最大トルク:300Nm<30.6kgm>
システム最高出力:264kW<359ps>
ミッション:マルチステージハイブリッド
駆動方式:FR(AWD)
JC08モード燃費:15.6(14.4)km/L
タイヤ:245/45RF20(Fスポーツのリアは275/40RF20)
税込価格:1310(1680)万円

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