オンロードレースの世界では圧倒的有利と思われていた後輪駆動。ところが1989年に登場した日産スカイラインGT-Rは、伝統だったFRを捨てて4WDへとシフトしてきたのだ。その理由はスカイラインGT-Rの主戦場にあった。

エンジンパワーが500psを超えたとき、FRの限界が見えてくる

日本を代表するクルマのひとつは日産スカイラインだ、ということに異存はないと思う。日本のモータリゼーションを牽引してきたうちの一台という意味だけでなく、GT-Rはレースでの活躍も含めて常に代表的なFR車として存在してきた。

ところが1989年に登場したR32スカイラインGT-Rは、アテーサE-TSと呼ばれる電子制御4WDとなったことでファンを少なからず驚かせた。

画像: R32のスカイラインGT-Rは「速いクルマはFR」から脱却。それは大パワーゆえの解であった

R32のスカイラインGT-Rは「速いクルマはFR」から脱却。それは大パワーゆえの解であった

実はR32 GT-Rも開発当初はFRを想定していたという。ところが、途中から当時のグループAレースで勝つことを目的に据えたことで、開発の方向性にも変化が現れた。想定されたパワーは500ps以上。そこで「レースで500psをオーバーするならば4WD化が必要」という意見がニスモのエンジニアから出されたという。

確かに、ドライコンディションだけならFRでもなんとかなっただろう。しかし、グループAレースは耐久レースでもあり、タイヤへの負担も大きい。タイヤの状態に影響されずに良いタイムを出すには4WDが適している。また、ウエット路面も想定されるので、FRのまま安定した速さを発揮することは不可能だ。そういう意味で4WDはレースで常勝を狙うGT-Rに必要不可欠という面もあったわけだ。

文:飯島洋治

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