世の中にはFR方式にこだわる人が多くいる。その理由に、FRらしい走りやデザイン、重量バランスなどが挙げられることだろう。本当にそれだけだろうか。ここではFR人気の理由を分析してみた。

FRを採用する理由? 自然の摂理か、あるいはノスタルジーか

FRの合理性としてよく例えられるのが、チーターなどに代表される足の速い野生動物はリア駆動であるということ。ただ、成り立ちからいうとFRの元祖たるパナール・エ・ルヴァッソールは、フロントに荷重をかけることや静粛性を目的にしていたから、動物とはちょっと違うようだ。

前輪が駆動と操舵のふたつの役割を持たなければいけないFFに対して、FRは前輪で操舵、後輪で駆動と仕事を分担できるためにバランスがいいという面は結果的にあるだろう。ただし、これはMRでも同じこと。どちらかと言えばFRは、重量バランスを二の次にしたという点においては妥協の産物だ。

画像: 前方に重量物を載せて後ろ足で地を蹴る、その生き物のような自然さ、懐の深さ。

前方に重量物を載せて後ろ足で地を蹴る、その生き物のような自然さ、懐の深さ。

後輪駆動だからスポーティというのも成り立たない話で、FFでもスポーティカーはある。

それでもFRにこだわるというのは、基本的には個人的志向…と言ってしまっては身も蓋もない話。ただ、中高年にこの傾向が強いことから見て、物心がついた時に「かっこいいクルマ=FR」という式ができあがっていたという面は強いように思う。

1970年代から80年代を見れば、FRモデルが目白押しの時代。そんなノスタルジーがこだわりの一端なのかもしれない。かく言う、筆者もその一人だが…。

文:飯島洋治

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