2018年2月26日、トヨタはニューモデルに搭載する新しいパワーユニットを公開した。その新エンジンとトランスミッション、ハイブリッドシステムなどは、3月8日開催のジュネーブ国際モーターショーに初登場するモデルに搭載されるだろう。

新型CVTは発進用のギアを搭載し、DCTに劣らないダイナミック性能に!

トヨタは2016年12月、エンジンやトランスミッションなどのパワートレーンをTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)によって開発されたものに一新すると発表。エンジン9種類、トランスミッション4種類、ハイブリッドシステム6種類を2021年までに完成させるという。

この時、はやくも2.5L直噴エンジンや10速AT、2.5Lエンジン用THSⅡなどを公開している。これらはすでに新型カムリや新型レクサスLC、マイナーチェンジしたアルファードなどに搭載されている。

画像: 2021年までにパワートレーンを一新させるというトヨタ。

2021年までにパワートレーンを一新させるというトヨタ。

そして今回新たにパワートレーンを公開。その数なんと5つ。CVTと6速MT、直列4気筒2.0L直噴エンジンと2.0Lトヨタハイブリッドシステム(THSⅡ)、4WDシステム(エンジン用/ハイブリッド用)が登場したのだ。

一度にこんなにたくさん発表して、一体なにに搭載するの?と疑問に思うだろう。もちろんトヨタ社内でその行き先はすでに決まっている。そのヒントは先日ティザー画像が公開されたレクサスUXだ。

覚えている人もいるかもしれないが、この画像を加工すると「UX 250h」というグレード名が浮かび上がってくる。このグレード名、現在はレクサスHSにのみ設定されているが、その登場は2009年と古い。そのため、新ユニットを搭載するのではないかと推察していた。

画像: レクサスが公開したUXのティザー画像の明度を上げたもの。UX250hというグレード名が読める。

レクサスが公開したUXのティザー画像の明度を上げたもの。UX250hというグレード名が読める。

このレクサスUXに搭載されるのが、今回発表された直列4気筒2.0L直噴エンジンと2.0Lエンジン用のTHSⅡ、CVT、そして4WDシステムだ。

この中でもトピックなのは新型CVT。CVTは通常ベルトとプーリーでのみギア比を連続可変させるが、新型ではこれに発進用のギアを組み込んでいる。つまり発進用1速ギア+CVTとなり、CVTカバー域が小さくなっているのだ。これにより、CVT特有の発進時のもたつき感を解消し、さらにハイギアードなギア比にして燃費を改善する。DCTに勝るとも劣らない伝達効率を誇り、現行比+6%の燃費改善も達成できるという。

トヨタが公開した「新CVT」の説明動画

画像: 新型無段変速機(CVT)「Direct Shift-CVT」 youtu.be

新型無段変速機(CVT)「Direct Shift-CVT」

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ハイブリッド用の新型直4エンジンは、14.0という高圧縮比化や低フリクション化する「レーザーピットスカートピストン」などの採用により、熱効率を41%にまで高めたという。これに2Lエンジン用のハイブリッドシステムTHSⅡと、後輪の出力トルクを約1.3倍に増大させた新型ハイブリッド用4WDシステム「新型E-Four」が組み合わされる。

ちなみに、エンジンモデル用の4WDシステムには、リアの左右輪に独立したトルクを配分する新機構、トルクベクタリング機構を搭載。これによって悪路走破性だけでなくコーナリング性能も大幅に向上するという。

「新2Lエンジン用THSⅡ」の説明動画

画像: 2.0Lトヨタハイブリッドシステム(THSⅡ) youtu.be

2.0Lトヨタハイブリッドシステム(THSⅡ)

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「新2L直噴エンジン」の説明動画

画像: 新型直列4気筒2.0L直噴エンジン「Dynamic Force Engine(2.0L)」 youtu.be

新型直列4気筒2.0L直噴エンジン「Dynamic Force Engine(2.0L)」

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「新4WDシステム」の説明動画

画像: 新型4WDシステム「Dynamic Torque Vectoring AWD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)」「新型E-Four」 youtu.be

新型4WDシステム「Dynamic Torque Vectoring AWD(ダイナミックトルクベクタリングAWD)」「新型E-Four」

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すべてはジュネーブ国際モーターショーで登場か?

もうひとつ公開されたのが6速MTだ。従来比で7kgの軽量化と全長24mmのコンパクト化を達成している。さらに、シフトアップ時とシフトダウン時に自動で回転数を合わせてくれるiMT制御も搭載することで、ドライバーと機構への負担を減らしている。

「あれ?じゃあ6速MTはなにに載るの?」と思うだろう。レクサスUXにターボエンジン搭載モデルが設定されれば、欧州で採用される可能性もあるものの、日本への導入は難しいだろう。もうひとつ、採用の可能性で言えば新型カローラスポーツ(欧州名:オーリス)が挙げられる。3ナンバー化したボディと、その名のとおりのスポーティな走りを期待したい。

と思っていたら、急遽カローラスポーツのティザー画像も公開された。元の画像と明度を高めたもの両方を掲載しておく。

さて、Webモーターマガジンの以前の記事で紹介したが、このレクサスUXとカローラスポーツは2018年3月8日に一般公開されるジュネーブ国際モーターショーで登場予定である。新技術は先に公開します、要はそういうことなのかもしれない。

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