“バネ下を軽量化するとフットワークがよくなる”や“バネ下1kgはバネ上10kgに相当”という話を知っているだろう。長年自動車専門誌の編集に携わり、足回りを熟知した河原良雄氏にバネ下重量について聞いてみた。

ホイールだけではない。タイヤで軽量化?

“バネ下”とはサスペンションのスプリングから下のことで、アームやブレーキ、タイヤ&ホイールなどで構成される。ここを軽量化するとクルマの運動性能が向上することはモータースポーツの世界で実証されている。軽量なマグネシウム合金ホイールを履いたりするのが好例だ。人間に置き換えれば、より軽いスニーカーを履いた方がランニングしやすいことと相通じる。

「バネ下1kgの軽量化は、バネ上(つまりボディ)10kgの軽量化に相当する」とよく言われている。かつては15kg相当と言われたこともあったくらいである。ただし、これはきっちりと数式化されたものではなく、バネ下を軽量化するメリットがいかに大きいかを象徴したフレーズと言えよう。

バネ下の軽量化にはホイール交換が一番の近道。純正ホイールはコストの関係から軽量化はさほど図られていない。対してアフターマーケットには軽量化を図ったホイールも多数用意されている。これを選択すれば軽量化が実現する。

意外に知られていないのがタイヤである。たとえ同じサイズであってもブランドによる設計の違いから、重量差が生じている。軽めのホイールとタイヤを組み合わせることによって相乗効果が狙えるのだ。

たとえば1輪で1kgの軽量化を図ったとしよう。ビフォアの感覚を熟知したドライバーなら、アフターのフットワークの軽さに気付くはず。運転がうまくなったのでは、と錯覚するかもしれない。それほどバネ下の軽量化は“効果あり”である。

ただし、バネ下の軽量化をやりすぎるとデメリットとなることもある。サスペンションの動きはある程度のバネ下荷重を想定して設計されている。それを大幅に下回るような軽量化を図ると、バランスを崩して逆にフットワークが悪化することもあり得る。

バネ下荷重軽減のメリットを引き出すためにはホイール&タイヤ、さらにサスペンションの役割にも熟知したショップとよく相談することをおススメしたい。

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