ここのところ毎年、この季節に開催されているジャガー・ランドローバー・ジャパンの雪上試乗会。
基本的にSUVの雪上走破性を試すものなので、2015年はランドローバー車だけだったが、2016年はクローズドコースでジャガー XEとFタイプの試乗もできた。
そして2017年は、2016年にデビューしたジャガー初のSUV、FーPACEも参加。長野県の斑尾高原を中心にスノードライブを楽しむことができた。

ハイテク制御満載。誰でもオフロードを楽しめる

ランドローバー車には車種によるが、オールテレイン・プログレスコントロール(悪路でも低速でクルーズコントロールのように定速走行が可能)、ヒル・ディセント・コントロール(下り坂で自動的に車速を落として走行)、テレイン・レスポンス(路面状況に合わせて最適な設定で車両をコントロール)など、オフロード走行に対応するハイテクなデバイスを備える。

画像: テストコースそばには、スタッフが作った「かまくら」も用意されていた。

テストコースそばには、スタッフが作った「かまくら」も用意されていた。

ジャガー初のSUV、F-PACEもトルクベクタリング by ブレーキング(コーナリング時にアンダーステアを抑える)、インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス(オーバー/アンダーステアを感知すると即座に適切なパワー伝達をコントロール)、アダプティブ・サーフェス・レスポンス(路面状況に応じてAWDシステムの効率を高める)、オール・サーフェス・プログレス・コントロール(ランドローバーのオールテレイン・プログレスコントロールと同じシステム)などを搭載。

これはジャガー&ランドローバー社だけのハイテクノロジーではないが、いまやほとんどのSUVはこうしたデバイスを装備し、特殊なドライビングテクニックなしに誰でもオフロード走行を楽しむことが可能になっている。
とはいえ、過信は禁物だが…。

画像: 写真で見るよりも勾配が急な下り坂なのだが、ヒル・ディセント・コントロールを使えばペダル操作なしにゆっくりと下ることができる。

写真で見るよりも勾配が急な下り坂なのだが、ヒル・ディセント・コントロールを使えばペダル操作なしにゆっくりと下ることができる。

テレイン・レスポンスをAUTOに。凸凹路もガシガシ走破する

まずはクローズドコースで、レンジローバー 3.0V6 SC ヴォーグをドライブ。エアサスをオフロードモードにして車高を75mm上げ、テレイン・レスポンスをAUTOにすれば、あとは急の付く動作をせずに走らせるだけ。ATはDレンジでホールド、マニュアルシフトの必要はない。
深めの積雪路もモーグルのような凸凹セクションも、4輪に駆動力を適切に配分してガシガシと走破する。
ヒル・ディセント・コントロールもONにしておけば、急な下り坂もDレンジのままペダル操作をせずにハンドルだけ保持していれば、トコトコと下ってくれる。
ただし、今回の試乗車のタイヤはいずれもスタッドレスではなく、ウインタータイヤ。急な上り坂をゆっくり登ってみたら、さすがにトラクションが伝わらず途中でタイヤが空転しスタックした。そんなときはいったん下がって、少し勢いをつけて登れば、まったく問題なくクリアできる。

画像: 圧雪路を疾走するF-PACE。意図的にオーバースピードで挙動変化を試すことができるのは、テストコースならではのドライブだ。

圧雪路を疾走するF-PACE。意図的にオーバースピードで挙動変化を試すことができるのは、テストコースならではのドライブだ。

続いてジャガー F-PACEを、ランドローバーよりフラットで直線の長いテストコースでドライブ。
コイツもレンジローバーと同様、アダプティブ・サーフェス・レスポンスを雪マークにセットすればOK。積雪の直線路でアクセルを全開にしても必要以上にパワーは伝達されず、適切なトラクションで直進する。
コーナーでは侵入速度が高すぎればアンダーステアは回避できないから、ABSを効かせながら思いっきりブレーキング(これも姿勢は安定していた)してターンインすれば問題ない。
もちろん、これはテストコースだから意識的に行った操作だが、一般道ではアクセル/ブレーキ/ステアリングともジワリと操作することが大切だ。

画像: 一般道を走るディスカバリースポーツ。こんな状況でも、しっかりと路面を捉えて走ってくれる。

一般道を走るディスカバリースポーツ。こんな状況でも、しっかりと路面を捉えて走ってくれる。

一般道では、ディスカバリースポーツでドライブ。
会場周辺の道は、圧雪路、アイスバーン、除雪路と、路面の状況はネコの目のように変わる。
だが、テストコースのレンジローバー同様、テレイン・レスポンスをAUTOにしておけば、雪道を必要以上に意識せずに走れる。コーナーも、思ったようなライントレースが可能だ。
車幅は1900mm近く、日本の地方道では持てあますかと思われるサイズだが、見切りが良いので大きさをあまり感じない。

画像: フルオープンのスノードライブって、けっこう快感! シートヒーターのおかげで思ったより寒くない。

フルオープンのスノードライブって、けっこう快感! シートヒーターのおかげで思ったより寒くない。

最後にドライブしたのが、レンジローバー・イヴォーク コンバーチブル。基本的なパワートレーンはディスカバリースポーツと共通だから走りのパフォーマンスは変わらないが、最大のウリはフルオープンでスノードライブを楽しめること! さすがに、こんな経験は初めて。
だが、市街地走行レベルの速度なら風の巻き込みも気にならず、シートヒーターを強めにすれば思ったよりは寒くない。オマケに48km/hまでなら、走行中でもスイッチひとつでトップの開閉が可能だ。

都会では味わえない、ジャガー&ランドローバーSUVのスノーロード・パフォーマンス。
その走破性の高さ、運転のしやすさ、そして充実した安全&快適装備などに、あらためて感銘したテストドライブだった。

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