Motor Magazine誌ではLongterm Reportと題して、テスト車をある程度の期間にわたって実際に乗って使用してみたレポートを紹介しています。今回は、その中から2014年10月から2016年11月までの2年間あまりで3万6000kmほど走行したフォルクスワーゲン ハイアップ!をねちっこくまとめた記事のレポートを、順を追ってこちらでご紹介させていただきます。[出典:Motor Magazine 2015年1月号]

第2回 2カ月目 4034km
今月の走行距離:1346km 燃費:1324km÷82.6L=16.0km/L
2014年10月25日〜11月21日

水を得た魚のように走らせる楽しさ。

画像: ポルシェ911GT3とMMアップ!号。取材時のワンシーン。GT3とアップ!ではその走行ペースもだいぶ異なるが、ドライバーの技量が存分に要求されるアップ!の運転も、面白さという意味ではなかなかどうして劣らないと感じられた。この取材の際に、MMアップ!号でおよそ750kmの距離を走ったのだが、それだけの距離を走っても余計な疲れを感じさせないフロントシートの出来の良さにも驚かされた。ちなみに上級モデルであるハイ アップ!には前席シートヒーターが標準装備されており、その効能を満喫している。

ポルシェ911GT3とMMアップ!号。取材時のワンシーン。GT3とアップ!ではその走行ペースもだいぶ異なるが、ドライバーの技量が存分に要求されるアップ!の運転も、面白さという意味ではなかなかどうして劣らないと感じられた。この取材の際に、MMアップ!号でおよそ750kmの距離を走ったのだが、それだけの距離を走っても余計な疲れを感じさせないフロントシートの出来の良さにも驚かされた。ちなみに上級モデルであるハイ アップ!には前席シートヒーターが標準装備されており、その効能を満喫している。

テスト車として、ハイ アップ!がMM編集部にやってきてから走行した距離は、今号の締め切り日までで1707kmとなった。MMアップ!号は、様々な取材や打ち合わせなどの足として重宝がられており、期待以上の活躍ぶりを見せてくれている。とくに、1人かせいぜい2人ぐらいで都内や近場へ出かけるといった用途は、まさにアップ!にピッタリだ。コンパクトなボディサイズによる扱いやすさはもちろんのこと、そうした短距離の使い方であっても、軽々と10 km/L以上という平均燃費を示してくれるのも嬉しい点である

1日で一度に走行した最長距離は750km。

画像: 速度計が存在感を主張しているメーターパネル。左側のタコメーターは小さく、目盛りの間隔も狭い。エンジン回転数が3000〜6000rpmあたりの力強さは驚くほどだ。[最新型はマイナーチェンジでメーターパネルのデザインがけっこう大きく変更されてます!]

速度計が存在感を主張しているメーターパネル。左側のタコメーターは小さく、目盛りの間隔も狭い。エンジン回転数が3000〜6000rpmあたりの力強さは驚くほどだ。[最新型はマイナーチェンジでメーターパネルのデザインがけっこう大きく変更されてます!]

また1回あたりの走行という観点でいくと、もっとも長距離を走ったのは、編集部のある東京・新橋をスタートしていったん千葉方面に寄ってから横浜、箱根を経由して西伊豆に向かい、その後は御殿場から河口湖を経て大月、調布、高井戸とまわって戻ってきた際のおよそ750kmという行程がある。この時は、燃費をとくに意識することのないペースで走行したにもかかわらず、渋滞や一般道、高速道路、アップダウンのきついワインディング路などを走り回った後で、マルチファンクションインジケーターには平均燃費16.7km/Lという値が示されていた。あれだけよく走らせてこの燃費ならば、自然吸気の1Lエンジン車として担当者的には文句のない結果であり、燃費の良さに改めて驚かされた。

慣れると楽しくなる5速AMTの操作。

画像: セレクターを操り、積極的にエンジンを高回転域まで回してやると、アップ!の走りは本来のパフォーマンスを発揮してくれる。

セレクターを操り、積極的にエンジンを高回転域まで回してやると、アップ!の走りは本来のパフォーマンスを発揮してくれる。

さて、前回も記したのだが、このMMアップ!号と付き合い始めてから、改めてドライビングするという行為そのものの楽しさを実感させられている。アップ!が搭載する変速機は“ASG”と名付けられた5速オートメーテッドトランスミッションで、これは5速のマニュアルギアボックスと自動シングルクラッチ機構を組み合わせたシステム。本誌では“AMT”と呼称しているタイプだ。もちろん2ペダル式で、Dレンジを選んでおけば、走行状況に合わせて自動的に変速してくれるが、どうしてもシフトアップ/ダウン時にクラッチがつながるまでのタイムラグがある。デビュー以来、その制御プログラムは年々バージョンアップされており、MMアップ!号は最新バージョンの仕様となっているのだが、それでもキビキビ走りたい時にはもどかしい思いが募るのも事実。

楽しいのはマニュアルモードで走らせる時。

そこで、自分でギアを選ぶマニュアルモードで走らせるわけなのだが、これが何とも楽しいのだ。クラッチ操作は自動なので、車速とエンジン回転数を勘案しながら、アクセルペダルの踏み加減を調整しつつ、セレクターを動かして希望するギアを選ぶ。減速時も積極的にシフトダウンして走らせるのだが、こうした行為が好きな人にとってアップ!は最適な存在だと強く思う次第である。

画像: 取材用の清掃道具など必要備品一式をラゲッジルームに搭載。何たることかスペースの約半分以上が埋まってしまった。

取材用の清掃道具など必要備品一式をラゲッジルームに搭載。何たることかスペースの約半分以上が埋まってしまった。

This article is a sponsored article by
''.