8カ月にわたったボルボの最高級SUV、「XC90」のロングタームレポートもいよいよ今回が最終回となった。名残惜しいが、別れは新たな出会いでもある。それはそれで楽しみだが、それにしてもこのXC90と長く付き合ってみて、あらためて新世代ボルボの実力がわかった。
画像: 2017年4月の走行距離=1021km。1カ月の平均燃費=リッター9.3km。今月の充電回数は3回だった。高速道路をアダプティブクルーズコントロール(ACC)を使い巡航するような状況が数回あったため、先月よりも0.6km/L改善し燃費は9km/Lを超えることになった。また3回の充電は、すべて会社にある充電設備を使い、満充電まで行った。ちなみに満充電からスタートするときは、ドライブモードをPURE(ピュア)にし、できるだけ長い距離をEV走行を楽しんだ。こうした乗り方ができるからPHEVは面白い

2017年4月の走行距離=1021km。1カ月の平均燃費=リッター9.3km。今月の充電回数は3回だった。高速道路をアダプティブクルーズコントロール(ACC)を使い巡航するような状況が数回あったため、先月よりも0.6km/L改善し燃費は9km/Lを超えることになった。また3回の充電は、すべて会社にある充電設備を使い、満充電まで行った。ちなみに満充電からスタートするときは、ドライブモードをPURE(ピュア)にし、できるだけ長い距離をEV走行を楽しんだ。こうした乗り方ができるからPHEVは面白い

T8は文句なしに最高のボルボだった

新世代のボルボ90シリーズは、フラッグシップSUVのXC90から日本への導入が始まった。本誌では、そのXC90の中でも、トップモデルとなるプラグインハイブリッドの「T8 ツインエンジン AWD インスクリプション」の長期テストをいち早く開始、8カ月間にわたり1万km以上走行した。

全長4950 mm 、全幅1960mmという余裕あるボディサイズの3列シートSUVは、あらゆる場面で活躍してくれた。大人数で移動することも可能だが、編集部では3列目のシートを畳んで使うことが多く、凹凸の少ないラゲッジルームは、撮影機材など大容量の荷物も楽々と積み込める。

画像: デジタルマニュアルがインストールされているので多くの機能は画面で確認でき便利だ。

デジタルマニュアルがインストールされているので多くの機能は画面で確認でき便利だ。

このT8は、新しい世代のボルボを実感させるとともに、歴代ボルボのテスト車の中でも文句なしに〝最高の1台〞と言っていいだろう。しかし、今月でテスト終了としたい。新たな車両に入れ替えるためだ。

そこで今回は、8カ月間のデータをまとめた。走行距離は10635km、その間に使用した燃料量は1165.2Lで平均燃費は9.1km/Lとなった。そして総充電回数は18.5回である。0.5回分は満充電していないため半分カウントだ。ちなみにT8は、EV走行距離がゼロと表示されていても始動後の走り出しはモーターで走ったりするので、そこにインテリジェンスも感じていた。

画像: 通常は3列目は畳んで使用。オプションのエアサスペンション装着仕様なので、車体後部の高さを下げるスイッチも用意する。

通常は3列目は畳んで使用。オプションのエアサスペンション装着仕様なので、車体後部の高さを下げるスイッチも用意する。

搭載エンジンは、2L直4ターボ+スーパーチャージャーである。このエンジンはとても力があって扱いやすい。XC90のような大型SUVを楽々と走らせてくれる実力の持ち主で、必要な時は右足に力を入れれば強烈な加速も味わえるのだ。

インテリアは、スイッチ類が少なくなっているのが特徴である。そしてこの実現には、音声操作機能が重要な役割を果たしている。つまり、ナビも空調も各メディアもタッチ式ディスプレイだけを使うことが前提になっていないということだ。音声やハンドルのコントローラーも合わせて使うことが前提なのである。これがとても使いやすく、運転中は、多彩な機能をほぼ音声で操作していた。ただし、音声で操作できない機能もあるので認識できるコマンドの種類は今後、もっと増やして欲しい。

画像: リアゲートを閉めたときに自動的にロックできたり、リアゲートを開けたときの高さも好みの位置に設定できる。便利な機能だ。

リアゲートを閉めたときに自動的にロックできたり、リアゲートを開けたときの高さも好みの位置に設定できる。便利な機能だ。

最後にもうひとつ。実は、マッサージ機能がとても気に入っていた。XC90のこの装備は、強すぎず弱すぎず、ちょうどいい。とくに長距離移動時は、ほどよく身体をほぐしてくれるのでとても重宝していた。

さて、次に導入するクルマはどれにするか……。実はこうして次期テスト車を想像している時間が、とても好きだったりする。(文:千葉知充/写真:永元秀和)

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