2020年以降の実用化を目指し、日産が最新の自動運転実験車両を公道でテストしている。インフィニティQ50をベースとしたこの実験車両で行う公道テストに、モータージャーナリストの岡本幸一郎氏が同乗し、レポートする。

39個もの車載センサーを搭載する実験車両


将来の自律自動運転に向けた技術をフルに搭載した、日産の最新の実験車両に乗る機会に恵まれたので、その模様をお伝えしたい。

インフィニティQ50がベースの実験車両には、なんと39個(!)もの車載センサーが搭載されているというからビックリ。内訳は光学式カメラが12個、レーザースキャナーが6個、ミリ波レーダーが9個、クリアランスソナーが12個で、これらが人間が目で見るよりもずっと厳密に車両の周囲の状況を確認してくれる。

画像: 39個もの車載センサーを搭載する実験車両
画像: 実験車両には12個のソナー、12個のカメラ、9個のミリ波レーダー、6個のレーザースキャナが搭載されている。

実験車両には12個のソナー、12個のカメラ、9個のミリ波レーダー、6個のレーザースキャナが搭載されている。

画像: 39個もの車載センサーにより、車両の周囲360°の情報や自社の正確な位置を把握する。

39個もの車載センサーにより、車両の周囲360°の情報や自社の正確な位置を把握する。

2年前の実験車両は自動で右折はできなかった

走行ルートは、あらかじめ「HDマップ」と呼ぶ高密度情報地図に仕込まれていて、今回は東京湾岸部の一般道と首都高速を走る。

さっそくスタート。運転席には開発責任者である日産・電子技術/システム技術開発本部の飯嶋徹也氏が座り、筆者は助手席へ。先だって、ステアリングから手を離した運転による実験走行が国から許可されたので、今回は、飯嶋氏も“どうしても”というとき以外はステアリングを握ることはない。

車内のディスプレイに、カメラやセンサーにはどのように周囲が見えていて、何をもとに制御しているかがわかるよう表示されるので、信号待ちしているときは、センサーが見ている信号が枠で囲まれる。なお、表示は現在のところカメラが捉えたリアルな映像をもとにしているが、今後は誰にでもわかりやすいようアニメーション化される予定だ。


つづいて、いきなり難易度の高い右折をするのだが、信号や対向車をはじめ周囲の安全を完璧に確認した上で、実験車両は右折を開始する。ちなみに2年前の実験車両では自動で右折はできなかったそうだ。また、信号の情報をカメラで100%正確に捉えるのは難しく、将来的には通信になる見込みらしい。

画像: 難易度の高い右折も難なくこなしたのが印象的だった。

難易度の高い右折も難なくこなしたのが印象的だった。

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