6月1日から、久しぶりの日本製クルマ映画が公開される。ラリーに詳しくない人でも十分に楽しめそうな作品を紹介しておこう。(©2018「OVER DRIVE」製作委員会)

WRCを目指す、若きドライバーとメカニック

画像1: WRCを目指す、若きドライバーとメカニック

最近の日本映画では珍しい、ラリーの世界を描いた作品が間もなく公開される。一般的にはモータースポーツの最高峰はF1(フォーミュラ1)という認識が多いだろうが、僕個人的にはラリーが一番面白いと思っている。
ラリーは、基本的にはグラベル(未舗装道)とターマック(舗装道)で行われるタイムトライアルだ。刻々と変化する自然状況の中でドライバーとコ・ドライバーの2名1組が協力して走行する。そこには少なからずアクシデントがあり、それが山あり谷ありの実際の人生とリンクしているような気がするからだ。

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この映画は、ドライバーとメカニックを担当する兄弟が、それぞれのラリーへの思い、一人の女性への思いを抱えながら、日本から世界(WRC:世界ラリー選手権)を目指す姿が描かれていく。

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こうしたカテゴリー映画の場合、その専門的な内容をイメージして最初から観ることを敬遠してしまう人もいるかもしれないが、ラリーの世界を知らない人が本作を観てもある程度は競技のことが理解できるように、ラリーチームの宣伝マネジメント会社から送り込まれた若い女子社員に対して、チームスタッフたちがラリーのなんたるかをレクチャーする場面もある。
それはけっして不自然ではなく、ラリー初心者の観客に対しての解説にもなっているので、ラリーをよく知らなくても十分に映画を楽しめるだろう。

画像4: WRCを目指す、若きドライバーとメカニック

登場する車種は、昨年から世界ラリー選手権に参戦しているトヨタ自動車の特別協賛もあることから、ヤリス(日本名はヴィッツ)のラリー仕様車(実際に南アフリカ国内選手権を2年連続総合優勝したマシン)や、シトロエン DS3、MINI クロスオーバーなど。実際の全日本ラリー選手権(今年も全10戦が開催中)に参戦しているマシンが中心となって、迫力ある走行シーンを展開している。

画像5: WRCを目指す、若きドライバーとメカニック

映画の中でそうしたラリーカーを実際に操っているのは、全日本ラリー選手権のシリーズチャンピオンにもなっているドライバー、勝田範彦選手と奴田原文雄選手。その説得力ある生の走りは、映画内の走行シーンで十分に堪能できる。

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ちょっとマニアックなネタをひとつ。
本Webサイトを運営しているモーターマガジン社が、創立30周年を記念して製作したパネル時計が、作品中のある部屋でチラリと写る。わりと前半のシーンなので、読者はぜひ画面で探してみてもらいたい。(永田よしのり)

6月1日より公開
上映時間:105分
監督:羽住英一郎
出演:東出昌大、新田真剣友、吉田剛太郎、北村匠海、ほか
配給:東宝

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