1979年のデビュー以来、初めてプラットフォームから大幅に刷新されたメルセデス・ベンツ Gクラス。日本仕様の発表は間近だが、まずは国際試乗会に参加した大谷達也氏のレポートをお届けしよう。

見た目は変わらないが、中身はほぼゼロからの新設計。

「えっ、これが新型? どこが変わったの?」そんな声がどこからか聞こえてきそうだけれど、たしかに新型Gクラスは現行型によく似ている。
でも、それにはしっかりとした理由がある。
1979年にデビューしたGクラスが40年近くにわたって人気を博してきたのは、NATO軍にも採用されるほどの優れた悪路走破性と耐久性に加え、ちょっとクラシックで力強いデザインが広く愛されてきたからだろう。ただし、舗装路の乗り心地はいまどきのSUVにかなわなくなったほか、最新の運転支援装置に対応するのも難しい。
そこで、アイコニックなデザインにはなるべく手をつけることなく、最新の技術でほとんどゼロから作り直すことをメルセデスは決めたのである。

乗り心地やハンドリングの改善は、主にフロントサスペンションを固定車軸式からダブルウイッシュボーン式に変更することで対応した。
ただし、頑丈なフレーム構造や高い走破性の源となっていた「3つのデフロック機構(リア/センター/フロント)」は基本的な思想を継承することで、Gクラス本来の強みを維持・強化する。
それが今回のリニューアルの骨子だったといって間違いない。

南フランスのペルピニャン周辺で行われた国際試乗会では、新型Gクラスの魅力を存分に味わうことができた。
舗装路では、標準仕様のG500、AMG仕様のG63ともにサスペンションの動きがスムーズになったおかげで、これまでのゴツゴツ感がすっかり消え、滑らかな乗り心地を楽しめるようになった。
風切り音を含めた車内騒音も驚くほど低くなり、最新のSUVとほとんど変わらない快適性を手に入れていた。

それでいながらオフロードの走破性は舌を巻くばかりで、リア/センター/フロントのデフをロックすれば勾配50%近いガレキの坂道を苦もなく上っていく。
これだけの急坂になると2本の足で立っているのも難しいくらい。そこを勢いよく駆け上がっていく新型Gクラスの姿は、頼もしいことこのうえない。

画像: 舗装路での乗り心地は、従来型に比べて格段にアップしている。

舗装路での乗り心地は、従来型に比べて格段にアップしている。

舗装路でのハンドリングも上々で、従来型で見られた中立付近でのあいまいさがすっかり消え、微妙な操作にもしっかりついてきてくれる。
しかも新型は自動ブレーキに代表される最新の運転支援装置を豊富に搭載。オフロード性能を強く意識した本格SUVとして、Gクラスはこれからも長く愛さていくことだろう。
(文:大谷達也、写真:メルセデス・ベンツ日本)

メルセデス・ベンツ G500 主要諸元

全長×全幅×全高:4817×1931×1969mm
ホイールベース:2890mm
重量:2429kg
エンジン:V8DOHCターボ・3982cc
最高出力:310kW<422ps>/5250-5500rpm
最大トルク:610Nm<62.2kgm>/2250-4750rpm
ミッション:9速AT
駆動方式:フルタイム4WD
タイヤ:265/60R18
価格:未定

画像: メルセデス・ベンツ G500 主要諸元

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