ヨコハマの「アドバンHFタイプD」は、1981年に発売したヒット商品だ。そのタイヤが復刻版として登場したのが昨年10月。13〜15インチまで全6サイズを用意、ヒストリックカーオーナーは注目している。今回は、1985年式ホンダCR-Xに履き、その感触をオーナーに聞いてみた。
画像: 1985年式ホンダ・CR-Xに185/60R14 82HサイズのアドバンHFタイプDを装着。

1985年式ホンダ・CR-Xに185/60R14 82HサイズのアドバンHFタイプDを装着。

オーナー氏はレースカメラマン

ボクの愛車は、昭和60年式のホンダバラードスポーツCR-X Si。今では死に絶えてしまったテンロク、ホットハッチ全盛期のクルマだったりする。当時はレビン/トレノのライバルとして、姉妹車であるワンダーシビックとともに人気があったんだけどね。


今はすでに走行距離は67万6000kmを越えてる。世間一般的には『過走行』の部類に入るみたいだけど、ボクにしてみれば年式相応の走行距離だと思ってるし・・・。


昔は、レースの撮影で美祢サーキット(現マツダ美祢試験場)や、北海道の十勝スピードウェイまで自走してたりしたから、こういう距離になっちゃうんだけど。

ココ数年はレースの撮影から遠ざかってて、鈴鹿や岡山なんかに行く機会はなくなっちゃったけど、それでも取材であちこち走り回るから、年間3万㎞位はいくんじゃないかな。

画像: 走行距離はなんと67万km超! きちんと整備されているので状態は良好。

走行距離はなんと67万km超! きちんと整備されているので状態は良好。

CR-Xは当時、アドバンHF-Dが純正装着されていた。

なぜ、CR-XにアドバンHFタイプDなのか?

それは昨今のF1で『遅くて壊れる』ホンダとは違い、当時は活躍していたことと大いに関連があったりするんだな。

ホンダが本格的に参戦復帰した84年の第9戦ダラスGPで、ケケ・ロズベルクが初優勝、翌々年の86年にはコンストラクターズチャンピオンに輝いて、それを記念してF1スペシャルエディションっていう特別仕様車が発売されることになったんだ。

シビック、CR-X、インテグラ、アコードの4車種に台数限定だったんだけど、CR-Xだけに標準装着されていたタイヤが、なんと185/60R14のアドバンHFタイプDだったてワケ。

あの頃、テンロククラスの標準タイヤサイズは185/60R14。今じゃコンパクトカーだって17インチ、軽自動車も15インチが当たり前になっちゃったから、このサイズのタイヤは段々と選択肢が減ってきちゃった。


そんなご時世に、横浜ゴムはあえて旧車に特化したアドバンHFタイプDをリリースしてくれちゃったし、サイズもバッチリあるんだから、履かない理由はないでしょ。

アグレッシブな見た目とは対称的な乗り心地

というワケでGW直前に交換。組み合わせたホイールは、当時の定番ともいえる『無限CF-48』。

履き替えて最初に感じたのは、とても軽やかで乗り心地も予想してたより随分良いってこと。パワーステアリングの付いてないボクのCR-Xだと、多少ハンドルが重くなるのかナって思ってたけど、そんなコトもないし、ヤル気マンマンの見た目に対して、極めて普通でいい感じ。

そんな第一印象が長距離を走ってみるとどうなっちゃうのか、GW後半に岩手県は奥州市までチョットばかり行ってきた。5月4日深夜、物流の大型車もいないガラ空きの国道4号線を岩手に向かってひたすら北上。

路面の繋ぎ目や、段差が大きい所では、それなりの入力をボディに伝えてくるんだけど、これはタイヤじゃなくて、この時代ホンダ車共通のボディ剛性の低さが原因かな。

独特のパターンから、音がウルサイのかも・・・と思ってたけど、これも一般道ではほとんど気にならないし、道中はとても快適。仙台を越えたあたりから雨が降り出してきて、路面は完全にウエットになっても、不安感はなかったし。

画像: 4本の縦溝と、アウト側にディンプルを施したトレッドパターンは、当時を知る者にとっては懐かしくなる。

4本の縦溝と、アウト側にディンプルを施したトレッドパターンは、当時を知る者にとっては懐かしくなる。

ウエットが良いのは、さすがヨコハマのタイヤ

じつは昔、アドバンHFタイプDを履いていたという知人から『ドライは抜群だけど、雨は怖かったんだよ』と聞かされてたから、正直なところウエットはそれなりに用心したんだけど、取り越し苦労ってヤツだった。復刻したHF-Dは、チョット位の雨なら全然気にならないね。

そんな感じで、夜明け前には平泉に着いちゃった。当初は、ゆっくりと東京に戻ってくるつもりだったんだけど、急遽翌日は富士スピードウェイに行かなきゃならなくなっちゃって、帰路は渋滞の少なそうな常磐道へ。高速道路では、一般道以上に好印象。

画像: ウエットの良さはすぐに体感できる。

ウエットの良さはすぐに体感できる。

旧車向けにチューニングしたとはいえ、やはりスポーツタイヤ。路面に張りつくような感覚はないけど、路面の状況をうまくハンドルに伝えてくれるし、レーンチェンジでも腰砕け感が小さいから、安心してアクセルを踏んでいけるし、首都高で多少ペースを上げていっても不安は感じないね。横浜ゴムの狙い通り、旧車に優しい乗り心地と、ほどほどのグリップが、いい塩梅でバランスされてるって感じ。乗り味もそうだけど、今どきのサイドウオールにデザインの入ったタイヤと違って、シンプルなのがいいんだな。


今後は、距離を重ねることによって減りが早いのかどうか、またワインディングも気になるところなのでまたレポートしたいと思います。

■写真とレポート:伊藤嘉啓

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