6月18日に発表、この7月2日に発売されるミシュランの新型コンフォートタイヤ、プライマシー4。このタイヤの試走会が、クローズドのテストコースで開催された。モータージャーナリストの瀬在仁志氏のレポートです。

ミシュラン・プライマシー4ってどんなタイヤ?


ミシュランの新タイヤ、プライマシー4は、プレミアムコンフォータイヤであるプライマシーシリーズの4代目という位置づけになる。サイズは16〜19インチの計36サイズだ。

パターンを細かく見ると新旧の違いがわかる

ミシュランタイヤの試乗会は、その自信の表れなのか、多くのシチュエーションを再現して、比較試乗を含めて内容が濃い。

今回発表されたプライマシ―4は、4世代目ということもあり、従来の路線に加えてウエット性能とロングライフを追求し『濡れた路面にも強いプレミアムコンフォートタイヤ』としてデビュー。もりだくさんの性能確認のため、試乗内容も当然のことながら多くなる。

もっとも、性能の根拠となる技術的な説明はほとんどない。水に強いコンパウンドの採用と、ロングライフを維持するための垂直形状の溝の採用程度。

トレッドパターンの違いは、新旧タイヤ(プライマシー4とプライマシー3)を仔細に比べてみないとわかりづらいが、横溝が左右に抜けていたり、縦溝が太くて奥までストンと刻まれていることがわかる。これなら残溝2㎜状態(注:スリップサインが出るのは残溝1.6mmだから、その直前)の先代タイヤ比で、ウエット制動距離13.3%短縮というのもよくわかる。

画像: 左が新品時のプライマシー4、右が残溝2mmまで摩耗した状態。

左が新品時のプライマシー4、右が残溝2mmまで摩耗した状態。

後日説明会に出ても、構造的な話もタイヤ断面図の解説も見ることができず、試乗会ほど親切ではなかった。だが話を聞くと、構造が元となるノイズや振動対策に関しては、サイドやトレッド下部で動きを抑制したり、吸収するなど総合的に対策しているという。つまり、全面的な見直しによって総合性能を底上げしている。このあたりにミシュランの高い技術力の秘密があるのだろう。

わかりやすいウエットの良さ

画像: ウエットのワインディング路でも、横グリップが強くなかなか滑らない。

ウエットのワインディング路でも、横グリップが強くなかなか滑らない。

実際に残2㎜の状態でウエット路面を走ってみると、ブレーキ性能では最新モデルはABSが一瞬遅れて介入し、初期の滑りが小さいことがわかる。そして、中盤以降細かくロックをリリースし、Gも安定。実際の計測値も、カタログ表記と同レベルだった。

画像: 新旧タイヤで比較すると、摩耗時のウエット制動性能は相当向上したことがわかった。

新旧タイヤで比較すると、摩耗時のウエット制動性能は相当向上したことがわかった。

新品状態でのハンドリング性能は、ウエットは粘り強く、ドライではロールがやや大きめ。舵角は少々大きく感じられた。

感心したのは、ウエットで舵を追い込んでいってもしっかりとついてきてくれる点。それでいながら深いロールながらも揺り返しや、転舵音が大きくならず、高い静粛性と快適性をキープ。確かに、プレミアムコンフォートタイヤに偽りはない。次は、ぜひ全方位カバーの技術的裏付け、「ミシュランマジック」をしっかりとこの目で確かめたいと思った。

画像: 高速走行ではその静粛性を実感。

高速走行ではその静粛性を実感。

画像: レポーターはおなじみのモータージャーナリスト、瀬在仁志氏。

レポーターはおなじみのモータージャーナリスト、瀬在仁志氏。

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