4ドアクーペのブームを作ったメルセデス・ベンツのCLSが3代目にフルモデルチェンジされた。よりスタイリッシュになり、最新のパワーユニットも採用された。

スタイリッシュでも室内の広さは十分

斬新な前後ランプや台形のグリル、ラインやエッジを極力廃したボディパネルなど、メルセデスの新世代デザイン語法が各部に用いられているのは見てのとおり。4ドアクーペの開拓者であるCLSが、持ち前のスタイリッシュさにさらに磨きをかけて3代目にフルモデルチェンジされた。

いかにも車高が低そうに見えるが、実はEクラス・セダンとの差はわずか25mmにとどまり、このフォルムながら室内空間やトランクは狭くなく、歴代CLSで初めて5人乗りとなったのも特徴だ。
後席に平均的な成人男性の体格(身長173cm)である筆者が座っても不満を感じない広さが確保されている。また、運転席での視界も従来よりも良くなったように感じた。

デザインだけでも十分に魅力的なCLSは、走りにも要注目だ。
メルセデスとして20年ぶりに復活した直6エンジンは、オルタネーターとスターターの機能を兼ねたISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)や、48V電気システムを搭載した点が特筆できる。ターボチャージャーを備えるが、ひとあし先に登場したS450とはスーパーチャージャーが付かない点が異なる。

ISGの恩恵でエンジン始動が素早く静かで振動もなく、アイドリング回転数が520rpmと低いことがまず印象的で、踏み込むといかにも完全バランスの直6らしいスムーズな吹け上がりが美味しい。
あえて抑えず乗員に聞いてもらえるようにしたかのような低く響くエキゾーストサウンドも印象深い。官能性能うんぬんというよりも、あくまで効率を追求した結果こうなったといえるエンジンだが、“直6”としての味わいを求める層への期待にもしっかり応えてくれる。

一方、2Lの新型クリーンディーゼルはディーゼルらしいトルクフルな加速フィールを味わえながらも、音や振動が極めて小さく抑えられていることに感心する。こちらの方が450よりも価格は240万円近く安く、また購入後の経済性に優れることも魅力に違いない。
優れた快適性と意のままの操縦性を兼ね備えたフットワークの仕上がりも申し分ない。ハンドリングは220dの方がいくぶん軽快だが、450は4マチック(4WD)も効いてかオンザレール感覚では上回る。

画像: 才色兼備のCLSの走りに、岡本レポーターも満足そう。

才色兼備のCLSの走りに、岡本レポーターも満足そう。

安全運転支援システムも、さすがはメルセデスの最新モデルらしくぬかりはない。レーンチェンジや渋滞路にも対応してドライバーの負荷を軽減してくれるのがありがたい。
才色兼備とは、このクルマのためにある言葉かもしれない。
(文:岡本幸一郎 写真:玉井 充)

メルセデス・ベンツ CLS450 4MATIC スポーツ(CLS220d スポーツ) 主要諸元

●全長×全幅×全高:5000×1895×1425mm
●ホイールベース:2940mm
●重量:1970kg(1820)
●エンジン型式・種類・排気量:256型・直6 DOHCターボ・2996cc(654型・直4 DOHCディーゼルターボ・1949cc)
●最高出力:270kW[367ps]/5500-6100rpm(143[194]/3800)
●最大トルク:500Nm[51.0kgm]/1600-4000rpm(400[40.8]/1600-2800)
●JC08モード燃費:11.9km/L(18.6)
●燃料・タンク容量:プレミアム(軽油)・66L
●トランスミッション:9速AT
●タイヤサイズ:245/40R19・275/35R19
●価格:1038万円(799万円)

画像: メルセデス・ベンツCLSについては、ホリデーオート10月号でも紹介しています。

メルセデス・ベンツCLSについては、ホリデーオート10月号でも紹介しています。

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