1960年代から日産は積極的にラリーに参戦し、ポルシェ、フォード、プジョーといったヨーロッパの強豪を打ち負かすなど大活躍。世界に高性能ぶりを見せつけた。今回はその中から1台、フェアレディ240Zを紹介する。(Motor Magazine 2017年2月号より)

1971年サファリラリー優勝車が当時のままで

フェアレディZは1969年11月にロングノーズ&ショートデッキのGTカーとして登場している。そして、71年10月には対米輸出用だった2.4Lエンジン搭載の240Zをサファリラリーに投入、150psの直6SOHCエンジンはボアストロークが1.6Lの510ブルーバードと同一でバランスが良く、見事に優勝を飾っている。

240Zは、1971年と72年のモンテカルロラリーにも出場、71年に5位、翌72年にはアルトーネン/トッド組が3位に入った。アルトーネンはかつてのミニ使い、トッドは後のフェラーリF1監督だ。

1972年のサファリラリーではパワーアップした欧州のライバル勢に敗れたが、73年には2.5Lとなった240Zを現地ケニアのドライバー、シェーカー・メッタに託すと、彼は過酷なコースを果敢に攻め、左フロントフェンダーを破損するものの期待に応えて優勝を手にした。

こうしてフェアレディ240Zは“ラリーの日産”というイメージを世界的に広める立役者となった。フェアレディ240Zのパワーは当初200〜220psだったが、1973年には2.5Lまで排気量を拡大して230psを手にしていた。写真は日産ヘリテージコレクションに展示されている1971年のサファリラリー優勝車。

画像: 国際ナンバープレート、カルネが時代を感じさせる。

国際ナンバープレート、カルネが時代を感じさせる。

画像: 助手席前にツインストップウォッチとトリップカウンターが備わる。

助手席前にツインストップウォッチとトリップカウンターが備わる。

フェアレディ240Z(1971年式)主要諸元●全長4115mm×全幅1630mm×全高1305mm●ホイールベース2305mm●エンジン直列6気筒OHC(L24型)●排気量2393cc●最高出力210ps/6800rpm●最大トルク23.5kgm/6000rpm●車両重量1000kg

日産ヘリテージコレクション

今回紹介したフェアレディ240Zは神奈川県座間市にある日産ヘリテージコレクションで見ることができる。ここは日産自動車の80年あまりの歴史を見ることができるスペースで、新型車の開発、試作、設計製作を行う日産の生産技術の拠点である座間事業所内に併設され、1930年代の生産車から歴代のレースカーまで、日産のオンロード、オフロード両面の歴史を物語る車両など約400台の記念車を所蔵、うち常時約300台が展示されている。日産自動車の座間事業所内に併設されているということもあって、公式サイトから応募フォームにより事前申し込みが必要だが、入場料はなんと無料。アクセスはあまり良くないが、行ってみる価値ありだ。

画像1: 日産ヘリテージコレクション
画像2: 日産ヘリテージコレクション

●住所:神奈川県座間市広野台2-10-1 
●入館料:無料(応募フォームにより事前申し込みが必要)
●開館日:申し込みカレンダーにて確認 
●駐車場:あり
●問い合わせ先:☎046-298-4355(受付時間:月〜金10:00〜16:00※ただし12:30〜13:30は除く)http://nissan-heritage-collection.com/
●電車でのアクセス:小田急江ノ島線南林間駅から神奈川中央交通バス「日産」「相武台前駅」「小田急相模原駅」行、「ひばりヶ丘1丁目(または小松原)」下車、徒歩7分。または相鉄本線さがみ野駅から相鉄バス「南林間駅」行「ひばりが丘1丁目(または口機入口)下車、徒歩7分
●クルマでのアクセス:東名高速道路「横浜町田インター」から国道16号線を八王子方面へ。国道246号線を左折、東原4丁目交差点を右折、2つめの信号を左折、1つめの信号(正門前専用信号)前が座間事業所2地区正門、約30分
※展示車両は入れ替えがあるので注意。

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