欧州のスーパーカーがスゴいのは誰でも知っている。だが日本のメーカーも、日本人のためのスーパーカーを作るべく努力をしてきた。そんな歴史を振りかえる企画、今回は、童夢が開発・製作を行った「ジオット キャスピタ」だ。(ホリデーオート2018年11月号より)

童夢とワコールの合作、そしてスバルのエンジンと話題満載だったが…。

画像: 流麗なスタイリングのジオット キャスピタ。リアウイングは可動式だった。

流麗なスタイリングのジオット キャスピタ。リアウイングは可動式だった。

前回紹介した童夢 零の登場から10年後の1988年、服飾メーカーのワコールの出資で設立されたジオットの企画のもと、童夢が開発と製作を行って誕生したスーパーカーが、今回紹介するジオット キャスピタだ。

エンジンは、F1のエンジン製作も行っていたレーシングエンジン専門会社「モトーリ・モデルニ」とスバルが共同開発した、“1235”と呼ばれるF1用3.5L水平対向12気筒の搭載が企画された。

だが、1235エンジンがF1で不振のためスバルが撤退。その後、ジャッドV10エンジン搭載のための設計変更などを余儀なくされたが、けっきょく2台が完成したものの市販には至らなかった。
(解説:飯嶋洋治)

■ジオット キャスピタ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4534×1996×1136mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:1100kg
●エンジン型式・種類・排気量:スバルMM・水平対向12 DOHC・3497cc
●最高出力:585ps/10750rpm
●最大トルク:37.0kgm/6000rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ(前・後):245/40ZR16・355/35ZR17

画像: スーパーカーというより空力性能の向上を意図したレーシングカー然としたスタイリング。

スーパーカーというより空力性能の向上を意図したレーシングカー然としたスタイリング。

画像: 2本スポークステアリングが特徴的なコクピット。ゲートで仕切られたシフトレバーが、イタリアンスーパーカーを思わせる。

2本スポークステアリングが特徴的なコクピット。ゲートで仕切られたシフトレバーが、イタリアンスーパーカーを思わせる。

画像: 現在、ジオット キャスピタの1号車は石川県小松市の日本自動車博物館に展示されている。残念ながら走行は不能のようだが…。

現在、ジオット キャスピタの1号車は石川県小松市の日本自動車博物館に展示されている。残念ながら走行は不能のようだが…。

This article is a sponsored article by
''.