欧州のスーパーカーがスゴいのは誰でも知っている。だが日本のメーカーも、日本人のためのスーパーカーを作るべく努力をしてきた。そんな歴史を振りかえる企画、今回は、トミーカイラが実際に市販した「ZZ」だ。(ホリデーオート2018年11月号より)

小メーカーが見せた、夢の力

京都府の小さな自動車メーカー、トミタ夢工場。創業者の富田義一(とみた・よしかず)社長と解良喜久雄(かいら・きくお)の二人の名を取って「トミーカイラ」のブランド名でチューニングカーの製作を行っていた。

1995年、完全なオリジナル車として発表されたのが、このトミーカイラ ZZ(ジージー)だ。車名は、富田氏と解良氏の爺さん二人(爺・爺)に由来すると言われている。

センターセクションはアルミモノコックを採用し、前後に鋼管サブフレームという構造。これにオープンボディの構成で、車重はわずか690kg。

エンジンは日産のSR20DE型直4DOHCで、180ps/19.6kgmを発生した。パワーウエイトレシオは3.83となり、まさにスーパーカーにふさわしい数値だ。

生産は日本ではなくイギリスで行われ、1997年に販売開始。2年間で計206台が生産された。
(解説:飯嶋洋治)

画像: サイドウインドーはない。ルーフは取り外して、写真のようにエンジンフードの上に重ねて装着することができる。

サイドウインドーはない。ルーフは取り外して、写真のようにエンジンフードの上に重ねて装着することができる。

■トミーカイラZZ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3630×1740×1100mm
●ホイールベース:2375mm
●重量:690kg
●エンジン型式・種類:SR20DE・直4 DOHC
●排気量:1996cc
●最高出力:180ps/6900rpm
●最大トルク:19.6kgm/4900rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:205/50R15

画像: ベースのデザインにはムーンクラフトの由良拓也氏が携わっていた。

ベースのデザインにはムーンクラフトの由良拓也氏が携わっていた。

画像: 俊敏なコーナリングを実現するために前後のオーバーハングを切り詰めたスタイリング。

俊敏なコーナリングを実現するために前後のオーバーハングを切り詰めたスタイリング。

画像: ミッドに横置きされたSR20DEエンジンの燃料供給は、EGIからセッティング幅の広いCRキャブ4連装に変更されている。

ミッドに横置きされたSR20DEエンジンの燃料供給は、EGIからセッティング幅の広いCRキャブ4連装に変更されている。

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