2018年7月25日に第2のフルモデルチェンジと言われるほど大幅な改良が行われたメルセデス・ベンツ Cクラス。デザインこそ大きく変わっていないが、パワートレーンや先進運転支援システムなどが進化して話題となっている。早速、1.5L直4ターボに48V電気システムを組み合わせた最新ユニットを搭載したC200 アバンギャルドを中心にレポートしよう。(Motor Magazine 2018年12月号より)

新しいヘッドライトのデザインが新鮮

国内はもちろんグローバルでもメルセデス・ベンツの主力となっているCクラス。なかでもセダンは幅広い層に堅調に支持されており、それは街中を走るユーザーを見ても納得できる。

2014年にフルモデルチェンジされた新型Cクラスは、アルミ使用率50%という軽量ボディの採用によって低重心化が進み、新開発のサスペンションなども与えられ俊敏なハンドリングを手に入れている。またインテリアの質感が一気に高められ、「Eクラスに近づいた」という印象を抱いたことを思い出す。

それから4年。今回、最大6500カ所という大幅改良が行われたというが、S/Eクラスからの技術投入や新たなパワートレーンの新搭載など、目には見えない部分の改良も含め、大幅な進化と熟成を遂げていた。

内外装に大幅なデザイン変更は加えられていない。市場の評価が高かったから、というのが理由だそうだ。とは言え、リファインメントは行われている。フロントバンパーは内側に入り込むデザインから末広がりに変わり、クーペ/カブリオレにのみ採用されていたダイヤモンドグリルがAMGラインに装備されることになった。

外観はとくにライト部分の変更が大きい。LEDを採用するヘッドライトは2タイプあるが、ラインナップの多くに標準装備される「マルチビームLEDヘッドライト」はS/Eクラスにも採用されているもので、片側84個のLEDを点灯/消灯したり明るさを調整したりして前を走るクルマや対向車を昡惑することなくハイビームを使用できる。

さらに後方にまわれば、セダンのリアコンビライトにCクラスの“C”をモチーフにしたテールライトが採用され、新しさをさり気なくアピールしている。

インテリアは新たに10.25インチの「ワイドディスプレイ」をセンターに、運転席も12.3インチのCクラス専用デザイン「コクピットディスプレイ」を採用した。またそれらの表示の切り替えやメニュー選択など操作の多くがハンドルに集約されたスイッチで行え、さらに音声操作機能も使う気にさせる進化が感じられた。

それはSクラスと同等のシステムをすべてのモデルで選べる安全運転支援機能の操作のしやすさも同様だ。技術の進化ぶりはたとえばステアリングアシストの作動状況が大幅に拡大し、ウインカーレバーの操作で車線変更できる「アクティブレーンチェンジングアシスト」機能も新採用されている。

画像: 好評のデザインはあえて大きく変えなていないが、リアコンビライトにCクラスの“C”をモチーフにしたテールライトが採用され、新しさをさり気なくアピール。

好評のデザインはあえて大きく変えなていないが、リアコンビライトにCクラスの“C”をモチーフにしたテールライトが採用され、新しさをさり気なくアピール。

画像: C200に搭載される新開発のM264型1.5L直4ターボ。これに48V電源システムやベルトを介してクランクシャフトと接続されるBSG(ベルトドリブンスタータージェネレーター)が組み合わされ、最高出力184ps、最大トルク280Nmを発生する。これはC180が搭載するM274型1.6L直4ターボエンジンより+28ps/+30Nmとなる。

C200に搭載される新開発のM264型1.5L直4ターボ。これに48V電源システムやベルトを介してクランクシャフトと接続されるBSG(ベルトドリブンスタータージェネレーター)が組み合わされ、最高出力184ps、最大トルク280Nmを発生する。これはC180が搭載するM274型1.6L直4ターボエンジンより+28ps/+30Nmとなる。

新開発の1.5L直4ターボはD洗練された走りが魅力的

パワートレーンは6つから選べるが、ハイライトはC200に搭載される新開発エンジンだ。排気量は1.5Lだが、これに48V電気システム+BSG(ベルトドリブン スターター ジェネレーター)がブーストを行うマイルドハイブリッドが組み合わされている。

280Nmの最大トルクは3000-4000rpmで発生するが、BSGのブースト機能が加わることで内燃機関が苦手な低回転域を最大トルク160Nmのモーターがアシストして、エンジンの美味しいところを使う。その結果、1.5Lでもこれほど洗練された走りが得られるのかと思うほどスムーズで、フィーリングもよくアクセルペダルを踏み込んだ瞬間からスッと走り出し、さらに深く踏み込んでも加速は力強く伸びていく。

滑らかなシフトチェンジも特筆すべき点で、48V+BSGがアップ/ダウン時のわずかなラグをアシストで整え、アイドリングストップからエンジンが再始動するときも、いままでエンジンが止まっていたとは思えない俊速かつスムーズな始動と走り出しを可能にしている。ちなみにワインディングと市街地、高速も織り交ぜ300kmほど走行をした燃費は13.2km/Lだった。

タイヤについても触れておきたい。新型は基本的にランフラットタイヤからノーマルタイヤに変更されている。これは快適性をより向上させるための判断である。

試乗車のC200アバンギャルドにはオプションのAMGラインが装備され、エアサスペンション+電子制御式ダンパーのエアボディコントロールサスペンションが組み合わされていた。

その足回りはまとまりが良く、乗り心地もよかった。コンフォートモードでは収束性もよくしなやかさも感じられるし、スポーツモードではステアリングフィールも足下も引き締まり、ワインディングロードを走ると性能のもっとも濃厚なところを抽出している印象だった。走行モードによるドライブフィールの違いがわかりやすいのも特徴のひとつと言えそうだ。

コイルサス+電子制御式ダンパーのダイナミックボディコントロールの組み合わせのサスペンションも試してみたが、スポーツモードを選ぶとややハードな印象こそあるが操舵感にクイックさと重さが増し、スッキリとしたダイレクトさが感じられる一方で、コンフォートモードでは全体が軽く手応えは丸くなるが、凸凹を通過した際に細かなフワンとした感触が少々残った。(文:飯田裕子)

画像: 手元でさまざまな操作ができるSクラスと同じデザインの最新世代ステアリングホイールを採用。

手元でさまざまな操作ができるSクラスと同じデザインの最新世代ステアリングホイールを採用。

画像: 高精細12.3インチのコックピットディスプレイはCクラス専用デザインとなっている。

高精細12.3インチのコックピットディスプレイはCクラス専用デザインとなっている。

画像: ナビやエンターテインメントの表示は10.25インチのワイドディスプレイで行う。

ナビやエンターテインメントの表示は10.25インチのワイドディスプレイで行う。

画像: スマホとの連携、ナビ、電話、音楽などを操作できる新世代COMANDシステム。

スマホとの連携、ナビ、電話、音楽などを操作できる新世代COMANDシステム。

画像: メルセデスはドア内側にもパワーシートやウインドウのなどの操作スイッチを配置。

メルセデスはドア内側にもパワーシートやウインドウのなどの操作スイッチを配置。

画像: エンジンのスタート/ストップスイッチはここ。他にもライトスイッチなども集中する。

エンジンのスタート/ストップスイッチはここ。他にもライトスイッチなども集中する。

画像: C200はフロントシートヒーターが標準装備される。パワーシートはメモリー付き。

C200はフロントシートヒーターが標準装備される。パワーシートはメモリー付き。

画像: 本革シートはオプション。標準はファブリック+合皮のレザーツインシート。

本革シートはオプション。標準はファブリック+合皮のレザーツインシート。

画像: リアシートは40:20:40の分割可倒式。C200のトランクルーム容量は435L。

リアシートは40:20:40の分割可倒式。C200のトランクルーム容量は435L。

メルセデス・ベンツ C200 アバンギャルド 主要諸元

●全長×全幅×全高=4705×1810×1430mm ●ホイールベース=2840mm ●車両重量=1600kg ●エンジン=直4DOHCターボ(+一部モーターアシスト) ●排気量=1496cc ●最高出力=184ps/5800-6100rpm ●最大トルク=280Nm/3000-4000rpm●トランスミッション=9速AT ●駆動方式=FR ●車両価格=552万円

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