国内のホンダSUVラインナップの頂点に立つCR-Vのハイブリッドモデルに初試乗した。ガソリンターボとの違いがはっきりわかった。(Motor Magazine 2019年1月号より)

愉快で痛快、価値ある電動化

CR-V山中湖試乗会に参加する前夜。ハイブリッドとガソリン、同じグレード(EXマスターピース/4WD/5人乗り)を、ホンダの公式サイトで購入見積もりを出してみた。大雑把に言えば約40万円の価格差となる。ガソリンモデルの本体価格は380万7000円。さて、この差は大きいのか、小さいのか。

結論から言えば、ハイブリッドを選べばお釣りが来る。実質コストの話ではなく、あくまでコスパのお話だが。

なによりも走りっぷりが痛快だ。多少の燃費低下は覚悟の上で、右足を踏み込んだ時の駆動力の出方を素早くリニアにセッティング。アクセルペダルの操作に対する優れた応答性を実現した。走り出しからとてもスムーズな加速感は、1.5Lターボよりも明らかに力強い。

エンジンマウントにダイナミックダンパーを採用したり、インシュレーターの量や質も高めるなど、ハイブリッドならではの静粛性対策の効果もわかりやすい。上り坂ではエンジン回転数が上がるとそれなりにエンジン音がキャビンに侵入してくるけれど、不快感は少なめだ。さらに耳障りなノイズを抑えてくれるアクティブサウンドコントロールも装備されるなど、さまざまな部分で静粛性をより高める工夫が盛り込まれている。

ハイブリッドの重量増は約90kgほどだが、モーター駆動用バッテリーの搭載位置を工夫して、重量バランスを最適化。振幅感応型ダンパーの採用とあいまって、乗り心地のしなやかさが増している。細かいアンジュレーションでも不快な粗さを感じることが少ない。終始安定した姿勢のおかげで、SUVらしからぬ元気なワインディングランも楽しむことができる。

わかりやすいスポーティ感という意味では、ターボモデルのカジュアルテイストも捨てがたい。けれど国内のホンダSUVラインナップの頂点に立つプレミアムカーにふさわしい上質感を求めるなら、絶対的な走りのパフォーマンスだけでなく、快適性などトータルでのクオリティ感でハイブリッドに軍配が上がるだろう。しかもガソリン代が節約できるとくれば、迷うことはたぶんない。(文:神原 久)

画像: 試乗したのは、スポーツハイブリッドI-MMD車としては初めての4WDモデル。巧みな制御で峠が楽しい!全車にアジャイルハンドリングアシストを設定、走る楽しさを引き上げた。

試乗したのは、スポーツハイブリッドI-MMD車としては初めての4WDモデル。巧みな制御で峠が楽しい!全車にアジャイルハンドリングアシストを設定、走る楽しさを引き上げた。

画像: ホンダSUVラインナップの頂点に立つプレミアムカーにふさわしい上質感がある。

ホンダSUVラインナップの頂点に立つプレミアムカーにふさわしい上質感がある。

画像: ハイブリッドは5人乗りのみを設定。荷室容量は499Lで、ガソリンモデルよりやや容量が少ない。

ハイブリッドは5人乗りのみを設定。荷室容量は499Lで、ガソリンモデルよりやや容量が少ない。

画像: 「スポーツモード」では、EV走行をより駆動力を高める方向で制御。ONにすると軽やかさが増していく。

「スポーツモード」では、EV走行をより駆動力を高める方向で制御。ONにすると軽やかさが増していく。

画像: 荷室容量は499Lで、ガソリンモデルよりやや容量が少ない。

荷室容量は499Lで、ガソリンモデルよりやや容量が少ない。

ホンダ CR-V ハイブリッド EX マスターピース 主要諸元

●全長×全幅×全高=4605×1855×1690mm
●ホイールベース=2660mm
●車両重量=1700kg
●エンジン=直4DOHC+モーター
●エンジン排気量=1993cc
●最高出力=107kW(145ps)/6200rpm+135kW(184ps)/5000-600rpm
●最大トルク=175Nm(17.8kgm)/4000rpm+315Nm(32.1kgm)/0−2000rpm
●トランスミッション=CVT
●駆動方式=4WD
●車両価格=436万1040円

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