第一次のスーパーカーブームが落ち着いてから約10年。1980年代末に日本はバブル景気に突入する。そんな時代に新たなスーパーカーが数多く登場し「スーパーカー第二黄金期」が到来する。年末年始スペシャルとして、日本が最も輝いていた華やかなりし時代の寵児たちを振り返ってみたい。第12回は、イギリスのジャガーが送り出した「JAGUAR XJ220:ジャガー XJ220」だ。(ホリデーオート2018年11月号より)

ジャガー XJ220。その名が示すのは、最高時速220マイル!

「JAGUAR XJ220:ジャガー XJ220」

画像: 全幅は2.2m以上という超ワイド。アンダーフロアはグランドエフェクト構造になっている。

全幅は2.2m以上という超ワイド。アンダーフロアはグランドエフェクト構造になっている。

ポルシェの959やフェラーリのF40を追うように、ジャガーがスタートさせたプロジェクトが「XJ220」だった。1988年、バーミンガム・ショーでV12エンジンを搭載したプロトタイプを発表する。

画像: コノリーレザーを張りめぐらしたインテリア。スピードメーターは220mphスケール。

コノリーレザーを張りめぐらしたインテリア。スピードメーターは220mphスケール。

車名が示すように、最高速は220mph(約350km/h)を目指した。ライバルの6気筒や8気筒のターボエンジンに対して、当初はジャガー伝統の自然吸気V12ユニットを500psにチューンしてミッドシップ4WDとし、内装はコノリーレザーで…と計画していた。

画像: レース用の3.5L V6ツインターボをデチューンとはいえ、542psと65.4kgmを発生した。

レース用の3.5L V6ツインターボをデチューンとはいえ、542psと65.4kgmを発生した。

だが、これらのアイテムを盛り込んでいくと車重は1700kgを超え、とても220mphで快適に走行することなど実現不可能となった。そこで当時ル・マンなどで活躍した3.5LのV6ツインターボをデチューンして搭載し、駆動方式もRWDにするという、大幅な軌道修正が図られた。

画像: コノリーレザー製のシートは4点式シートベルトも装着可能なもの。

コノリーレザー製のシートは4点式シートベルトも装着可能なもの。

それでも542psと65.4kgmというパワースペックを誇り、最高速度は350km/h、0-100km/h加速は3.85秒、0-160km/h加速は8.0秒と発表された。

91年の東京モーターショーで350台の限定発売と発表されたが、最終的には280台ほどしか販売されなかったという。また、レーシングカーとしてル・マンなどにも参戦している。

画像: スーパーカーとしてはサイズは巨大! ヘッドライトをONにすると、カバーが素早く下がってライトが現れる。

スーパーカーとしてはサイズは巨大! ヘッドライトをONにすると、カバーが素早く下がってライトが現れる。

ジャガー XJ220 主要諸元(1992年)

●全長×全幅×全高:4930×2220×1150mm
●ホイールベース:2640mm
●重量:1470kg
●エンジン種類:V6 DOHCツインターボ
●排気量:3498cc
●最高出力:542ps/7000rpm
●最大トルク:65.4kgm/4500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●タイヤサイズ:前245/45ZR17・後345/30ZR18

画像: スーパーカー第二黄金期は、ホリデーオート2018年11月号にも掲載されています。

スーパーカー第二黄金期は、ホリデーオート2018年11月号にも掲載されています。

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