発売開始が心待ちにされている、ビッグマイチェンを受けた三菱 デリカD:5。テストコースながら、オンでもオフでも試乗することができた。そのパフォーマンスの一端を紹介していこう。

デリカD:5の洗練されたAWCは優れもの!

最初にオフロードコースでD:5に乗ってみる。短いモーグル的なコースで途中いくつかこぶや急坂が設定されている。ものは試しということで、まず2WDで急坂に挑む。

画像: やや湿った路面では、FFではスタックしてしまうが、4WDオートに切り替えれば難なくクリアできる。

やや湿った路面では、FFではスタックしてしまうが、4WDオートに切り替えれば難なくクリアできる。

試乗時は午後だったが、午前中に雨が降ったということで若干ウエットな路面のこともあり、途中でスリップして登坂は不可となってしまう。

そこでダイヤルスイッチを右に回し4WDオートを選択すると簡単にクリアした。その後も4WDオートで足りてしまい、4WDロックを必要とする場面は今回はなかった。

画像: インパネは、運転しやすくダイナミックな直線基調。ステッチを施したソフトパッドなどで上質感も演出している。

インパネは、運転しやすくダイナミックな直線基調。ステッチを施したソフトパッドなどで上質感も演出している。

画像: メーターパネルの表示は華美に流れずシンプルで見やすいものだ。

メーターパネルの表示は華美に流れずシンプルで見やすいものだ。

画像: ATセレクター左のダイヤルで、2WD、4WDオート、4WDロックを切り替える。走行中でも操作可能。

ATセレクター左のダイヤルで、2WD、4WDオート、4WDロックを切り替える。走行中でも操作可能。

トラクションコントロールに、ブレーキLSDを加えた電子制御4WDで多くのシチュエーションをこなし、ロックはあくまでも泥濘地にはまりそうになった時などの、エマージェンシー的な機能と言えそうだ。

画像: 標準のD:5は、アプローチアングル、デパーチャーアングル、最低地上高をたっぷり取り、従来のファンを逃さない設定としている。

標準のD:5は、アプローチアングル、デパーチャーアングル、最低地上高をたっぷり取り、従来のファンを逃さない設定としている。

実は、オフロードでもっとも印象的だったのは、乗り心地の良さ。ガツンとくる衝撃は皆無で、もの足りないくらい入力が少ない。

電動パワステは操舵力が軽いのはもちろん、キックバックも少なく、従来のオフロードを力でねじ伏せるというイメージのドライビングとは明らかに違っている。

画像: 舗装路をD:5アーバンギアで走る。エンジンレスポンス、ステアリングフィールともなかなか良い。

舗装路をD:5アーバンギアで走る。エンジンレスポンス、ステアリングフィールともなかなか良い。

続いて舗装路をD:5アーバンギアで走る。走り出しはアクセルレスポンスも良く、静粛性も高いためにディーゼル車をあまり意識させない。そこからアクセルをぐっと踏み込めば、太いトルクで前に出る。圧縮比を下げて、最高出力は従来より下がっているが、ECUの制御で中回転域重視にしたメリットを感じることができた。

画像: フリクションの低減、燃焼室の変更、新インジェクターの搭載などの改良で、従来型より最大トルクを20Nmアップしている。

フリクションの低減、燃焼室の変更、新インジェクターの搭載などの改良で、従来型より最大トルクを20Nmアップしている。

ただ、アクセル開度が深くなると、カリカリというディーゼル独特のエンジン音は発生する。8速ATは、クロスレシオとなっており伝達ロスを感じさせずにアクセル開度とスピードに応じて小気味良くシフトアップしていく。

画像: クイックなステアリングレシオと電子制御4WDのおかげで、ワインディングでの走りは思いのほか楽しい。

クイックなステアリングレシオと電子制御4WDのおかげで、ワインディングでの走りは思いのほか楽しい。

コーナリングに関しては4WDオートでの走りの良さが目立った。当初、おそらく2WDの方が舗装では軽快に走るだろうと考え、4WDである程度走った後に2WDに切り替えてみたが、同じスピードでもアウトに持って行かれる挙動が強く出た。

画像: フロントスポイラーやサイドスカートなどでシャープな印象のアーバンギア。街中での使用が中心なら、こちらか。

フロントスポイラーやサイドスカートなどでシャープな印象のアーバンギア。街中での使用が中心なら、こちらか。

その後、再び4WDに戻すと安定してコーナリングする。この辺は、基本はFFのスタンバイ4WDとはいえ、三菱がこれまで熟成してきた電子制御4WDの効果が出ているところ。

画像: 乗り込むときはよじ登る感じだが、座ってしまえば高さはそれほど感じず、自然なドライビングポジションが取れる。

乗り込むときはよじ登る感じだが、座ってしまえば高さはそれほど感じず、自然なドライビングポジションが取れる。

画像: 2列目は写真の3人掛けとアームレスト付き2人掛けとが設定されている。

2列目は写真の3人掛けとアームレスト付き2人掛けとが設定されている。

画像: デリカD:5の場合、3列目は「子どもの秘密基地?」的に好まれるとか。収納時は左右に跳ね上げる。

デリカD:5の場合、3列目は「子どもの秘密基地?」的に好まれるとか。収納時は左右に跳ね上げる。

ステアリングはオフロード同様に軽いが、舗装を走る分にはいい感じだ。3回転弱のロックtoロックも良い。普通のワインディングならば、9時15分の位置から持ち替えることなく走ることができるし、パドルシフトとも合わせて、その気になればスポーツカー的なドライビングも楽しめる。

画像: フル乗車時でもラゲッジスペースはかなり広い。3列目のスライドを利用すれば140〜480mmの前後長を取ることができる。

フル乗車時でもラゲッジスペースはかなり広い。3列目のスライドを利用すれば140〜480mmの前後長を取ることができる。

画像: 3列目を左右に跳ね上げたときのラゲッジスペースはかなり広大。アウトドアでも活躍しそうだ。

3列目を左右に跳ね上げたときのラゲッジスペースはかなり広大。アウトドアでも活躍しそうだ。

現実的なファミリーでの使いかたを考えれば、週末以外は奥さんが買い物などで使用するということも多いだろう。腕っぷしの強い男だけが乗るのではなく、普段使いするのであれば、このハンドルの軽さは望ましい。さらに4WDオートに入れておけば、大雨や突然の雪などにも安心だ。(文:飯嶋洋治/写真:井上雅行)

画像: 左がD:5、右側D:5アーバンギア。

左がD:5、右側D:5アーバンギア。

デリカD:5 Gパワーパッケージ(アーバンギア Gパワーパッケージ) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4800×1795×1875mm
●ホイールベース:2850mm
●重量:1960kg(1950)
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:2267cc
●最高出力:145ps/3500rpm
●最大トルク:380Nm/2000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:横置きパートタイム4WD
●税込み価格:408万2400円(420万7680円)※価格はホリデーオート調べ。

画像: デリカD:5については、ホリデーオート2019年2月号にも掲載されています。

デリカD:5については、ホリデーオート2019年2月号にも掲載されています。

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