新型スープラの誕生を記念して、日本ではセリカXXと呼ばれた前身モデルからの系譜を振りかえってみたい。まずは、1981年に発表された2代目セリカXXだ。(ホリデーオート 2019年2月号より)

2L直6DOHCがセリカと異なる魅力を発揮

スープラという名前を名乗る前、国内仕様のモデルにはセリカXX(ダブルエックス)という名前が与えられていた。初代は1978年に発売されたA40型で、それまで4気筒モデルだったセリカにクラウン用の6気筒エンジンを搭載した。

画像: 直線基調のデザインが2代目セリカXXの最大の特徴だった。

直線基調のデザインが2代目セリカXXの最大の特徴だった。

これは長らく日産のフェアレディZが独占してきたスポーツカー市場に食い入るトヨタの戦略で、国内はもとより海外、特にアメリカでの成功を目指した。

画像: ボンネット前端に付けられたXXのエンブレム。

ボンネット前端に付けられたXXのエンブレム。

そのアメリカではXを重複すると映画の成人指定度合いを示すことから、車名をラテン語で「至上かつ最高」を意味するスープラとした。これがスープラの始まりであり、セリカXXが短命で終わったエピソードでもある。

画像: 角形2灯式リトラクタブルヘッドランプを採用していた。

角形2灯式リトラクタブルヘッドランプを採用していた。

ところが初代は不振に終わる。スポーツカーらしくないスタイルや6気筒エンジンを積んだことで重量が増えた結果、走行性能がライバルに見劣りしたからだ。そこで1981年のフルモデルチェンジで生まれた2代目では、スポーツ性を前面に押し出す。

画像: 1G-GEU型 2L直6DOHCエンジンは、160psの最高出力と18.5kgmの最大トルクを発生した。

1G-GEU型 2L直6DOHCエンジンは、160psの最高出力と18.5kgmの最大トルクを発生した。

それを端的に示していたのが広告戦略だ。当時トヨタと協力関係にあったロータスの創始者、コーリン・チャップマンを大々的に起用。テレビCMにまで登場させてスポーツ性を強調した。

画像: 80年代らしい色使いのインパネに2本スポークのステアリングが未来志向を表していた。

80年代らしい色使いのインパネに2本スポークのステアリングが未来志向を表していた。

あたかもロータスが開発に関わったような内容だが、サスペンションは基本的にセリカと同一。重い6気筒エンジンを載せるためバネレートやダンピングレートが変更されたに過ぎない。

画像: デジタルメーターは当時の流行。燃料計や水温計もバーグラフで表示された。

デジタルメーターは当時の流行。燃料計や水温計もバーグラフで表示された。

それでも2代目は大ヒットした。その要因は何と言ってもエンジンだ。トップグレードには2.8L DOHCの5M-G型が搭載されたが、当時はまだ3ナンバー車に高い税率が適用されていたため少数派だった。

画像: オーディオの上にはオプションでクルーズコンピュータも備わっていた。

オーディオの上にはオプションでクルーズコンピュータも備わっていた。

それより注目は82年に追加された2L DOHCの1G-Gだ。気筒当たり4バルブとなるツインカム24を車名にまで採用。同じ2L車にはSOHCターボもあったが、高回転まで気持ち良く回りパワフルなDOHCを搭載したGTツインカム24に人気は集中した。

画像: フロントは8カ所の調整が可能な8ウエイ・スポーツシート。

フロントは8カ所の調整が可能な8ウエイ・スポーツシート。

画像: リアシートは2人掛け。ヘッド&フットスペースとも広くはなく、おとなには敬遠された。

リアシートは2人掛け。ヘッド&フットスペースとも広くはなく、おとなには敬遠された。

83年のマイナーチェンジでバンパーやテールレンズを変更。トピックはドアミラーの解禁で、全車ドアミラーが標準装備になった。

このため前期モデルにドアミラーを装着したクルマも多数存在するが、やはり人気はここでも紹介している後期型。サイドまで回り込んだウインカーやボディ同色バンパーが特徴だった。(文:増田 満/写真:伊藤嘉啓)

セリカXX 2000GTツインカム24(1984年) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4660×1685×1315mm
●ホイールベース:2615mm
●重量:1230kg
●エンジン型式・種類:1G-GEU・直6DOHC
●排気量:1988cc
●最高出力:160ps
●最大トルク:18.5kgm
●10モード燃費:10.8km/L
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/60R15
●当時価格:218万4000円

画像: セリカXXとスープラについては、ホリデーオート2019年2月号にも掲載されています。

セリカXXとスープラについては、ホリデーオート2019年2月号にも掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.