F1のテストの写真で、マシンに奇妙な金網のようなものをつけて走行しているのを見かける。あれはいったい何なのでしょうか? 何かを計測しているようだけど。

空力特性の測定のために用いられるデバイス

F1マシンに取り付けられたアンテナのような金網、あれはマシンの空力特性の測定のために用いられるデバイスだ。一般的にエアロレーキと呼ばれている。

レーキとは、Rake=「熊手」「かき集めるもの」「土をならすもの」を意味する、グウランドをならす、あのレーキのことだ。

タイヤの前後、サイドポンツーンの後ろ、リアウィング、リアディフューザーの後方などに装着して、空気の速度、流量、角度。圧力・温度など、実際の空気の流れを細かく計測する。

リアルワールドの空力特性を測定し、風洞実験や計算流体力学から得られたデータが実際に流れている空気とどう違うのか、どのように関連するのかを探るために生まれたのだ。

余談だが、これと似た役割を持つのがピトー管。フロントノーズにつけられたアンテナのような管のことだ。

これは液体や気体のスピードを測定するもので、フランス人のアンリ・ピトーが発明したことからピトー管と呼ばれる。もともと飛行機の速度を計測するために使われていたもので、空気の流れを計測することで飛行速度を計算した。

F1の場合、タイヤの回転数から速度が計算できるが、ピトー管で計測された速度を計測することで、風向き、空気の流れがわかるというわけだ。

この他、フロービジュアルペイントを使って、空気がどの方向に、どれくらいの強さで流れているかを見た時代もあった。

画像: フロントノーズに取り付けられているのがピトー管と呼ばれるもの。周囲の空気の流れとマシンの速度差を計測する。

フロントノーズに取り付けられているのがピトー管と呼ばれるもの。周囲の空気の流れとマシンの速度差を計測する。

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