新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介していこう。2回目は、Z32型フェアレディZ 300ZXだ。

近代スポーツカーのディメンションを持つピュアスポーツ

「日産 フェアレディZ 300ZX(Z32型:1989年7月発売)」

画像: 従来型より幅広く、低くなったプロポーションはFRスポーツらしいものとなった。

従来型より幅広く、低くなったプロポーションはFRスポーツらしいものとなった。

フェアレディZは近代化を図るべく、従来の古典的ともいえるロングノーズスタイルを捨て、ワイド&ローフォルムに一新した。ボディは先代(Z31型)より全幅は75mm幅広く、全高は50mm低くなり、これが前1495/後1535mmのワイドトレッドを可能にするなど、まさにFRスポーツの世界水準を凌駕するディメンションとなったのだ。

画像: 正面に大径の速度/回転計を配したコクピットはドライバーを囲むようにデザインされ、運転に集中できる環境とした。

正面に大径の速度/回転計を配したコクピットはドライバーを囲むようにデザインされ、運転に集中できる環境とした。

サスペンションは前後マルチリンクとなり、ツインターボ車はリアに位相反転制御付きのSUPER HICASを採用したから、コーナリング性能の向上は飛躍的と言って良いほど。ZのGT化を嘆いていたファンも納得する切れ味鋭い走りを実現した。

画像: VG30DETTは国産車で初めて280psを発生したエンジンだ。V6の各バンクにターボとインタークーラーを備え、39.6kgmの大トルクを発生した。

VG30DETTは国産車で初めて280psを発生したエンジンだ。V6の各バンクにターボとインタークーラーを備え、39.6kgmの大トルクを発生した。

DOHC化されたエンジンはツイン インタークーラー付きツインターボで過給され、40kgmに迫る大トルクを発生。1.5トンのボディを易々と240km/hまで引き上げた。DOHCならではのパワーピックアップを生かして0-400m加速も13.76秒で走りきり、国産随一の快速ぶりを誇っている。230psのNA仕様も用意されたが、やはりZの魅力はツインターボの爆発的パワー感にあったといっていい。

車型は2シーターとそのホイールベースを120mm延長した2by2の2種で、好評のTバールーフも設定された。92年には2シーターベースのコンバーチブルを追加し、一段と魅力を増した。

画像: 1992年にコンバーチブルを追加。2シーターモデルのみだが、カリフォルニアではクーペを上回る人気モデルとなった。

1992年にコンバーチブルを追加。2シーターモデルのみだが、カリフォルニアではクーペを上回る人気モデルとなった。

フェアレディZ 300ZXツインターボ(1989年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4310×1790×1245mm
●ホイールベース:2450mm
●重量:1530kg
●エンジン型式・種類:VG30DETT型・V6 DOHCツインターボ
●排気量:2960cc
●最高出力:280ps/6400rpm
●最大トルク:39.6kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:225/50R16
●価格:395万円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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