「言葉は違うけど、同じ意味だった」や「言葉は似てるけど、意味は違った」など、自動車業界には初見では判別しにくい用語が多い。そうした類似語たちを解説していこう。まずは最近、装着されていることの多い「デイライト」だ。

昼間に点灯しているデイライト。ではスモールランプや車幅灯はなに?

■デイタイムランニングランプ【でいたいむらんにんぐらんぷ】

→昼間においても、車両が移動中であることを他者へ知らせる灯火器として、日照時間の少ない北欧で1980年代から採用されはじめたシステムのこと。これが交通安全性を高めるとして、2011年に欧州で新車装着を義務化、その後2016年10月に日本の道路運送車両の保安基準にも「昼間走行灯」と明記されたのだ。

保安基準では「昼間にクルマの“前方”からの視認性を向上させるもの」とし、フロント部分に採用される。テールランプやナンバー灯など、リア部分の灯火器は基本的に点灯しないものとされている。さらに、メーターやナビ画面など室内の光量も“昼設定”のままである。

ライトスイッチを「AUTO」にすることで、昼間はデイライトが点灯、日没やトンネルなどにより暗くなるとヘッドライトが自動的に点灯……運転中はいずれかのライトで常に自車位置をアピールできるワケだ。

ちなみにこの機能は意図的にオフにできないものの、ヘッドライト点灯時に消灯される。同時点灯できない仕様となる。また、メーカーによっては後付コーディングでデイタイムランニングランプ化できるモデルもあるという。

■昼間走行灯【ちゅうかんそうこうとう】

→自動車メーカーによっては、デイタイムランニングランプ(Daytime Running Lamps)やDRL、デイタイムランニングライト、デイライトなどと表記され、おおむね同義語である。日本の道路運送車両の保安基準には「昼間走行灯」と記載されている。

画像: デイタイムランニングライトのイメージ。画像はボルボ XC40。

デイタイムランニングライトのイメージ。画像はボルボ XC40。

■車幅灯【しゃはばとう・しゃふくとう】

→車両のフロント左右両側の灯火器で、“夜間”に自車の車幅を示す目的で点灯するもののこと。デイライトと異なり、意図的にオン/オフを切り替えられる。

■クリアランスランプ【くりあらんすらんぷ】

→車幅灯の英語名(Clearance lamp)で、同義語である。日本の道路運送車両の保安基準には「車幅灯」と記載されている。

■フロントポジションランプ【ふろんとぼじしょんらんぷ】

→車幅灯の英語名(Front position lamp)で、同義語である。日本の道路運送車両の保安基準には「車幅灯」と記載されている。

■スモールランプ【すもーるらんぷ】

→車幅灯と違って保安基準に記載されておらず、上記のような英語名でもない。さらに、一般的にスモールランプのスイッチをオンにすると、車幅灯と一緒に尾灯(テールランプ:夜間、車両の存在を後方へ示すための灯火器)や番号灯(ナンバー灯)なども点灯するため、こうした灯火器をひとくくりにした名称といえる。

デイライトと異なり意図的にオン/オフ切り替えることができ、点灯することでメーターやナビ画面などの車内光も夜間用に調光される。

ちなみにスモールランプである。スモールライトはドラえもんのひみつ道具だ。

画像: 車幅灯のイメージ。画像はホンダ シビック タイプR。

車幅灯のイメージ。画像はホンダ シビック タイプR。

■駐車灯【ちゅうしゃとう】

→夜間に駐車している自車の存在を前方・後方の他者へ知らせる灯火のことで、前後2灯ずつ、もしくは前後1灯ずつを点灯する。消費電力を抑えるため、番号灯(ナンバー灯)は点灯しない。

ちなみに過去、装着を義務付けられていたこともあるが、現在では廃止。そのため近年の国産車で採用例はほとんどなく、BMWやメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンなどの欧州車に搭載されている。

■パーキングランプ【ぱーきんぐらんぷ】

→駐車灯の英語名(Parking lamp)で、同義語である。日本の道路運送車両の保安基準には「駐車灯」と記載されている。

画像: 駐車灯のイメージ。BMW 5シリーズツーリングのパーキングランプは本来、外側のランプのみが点灯する。

駐車灯のイメージ。BMW 5シリーズツーリングのパーキングランプは本来、外側のランプのみが点灯する。

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