いよいよ「令和」の時代が始まったが、「平成」の時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介しておこう。今回は、エボVIIから始まる第3世代に進化したランサーエボリューションだ。

AYCとACDの協調制御で、かつてない走りを実現。GT-Aなどバリエーションも豊富

「三菱 ランサーエボリューションVII(CT9A型:2001年2月発売)」

画像: 前回紹介したインプレッサWRX STiよりサイズはわずかに大きいが、ホイールベースは短く車重は軽かった。

前回紹介したインプレッサWRX STiよりサイズはわずかに大きいが、ホイールベースは短く車重は軽かった。

2000年にデビューしたランサーセディアをベースに、翌年に発売されたエボVIIは、熟成が進んだAYCに加え新たに電子制御可変多板クラッチ機構のACD(アクティブ・センターデフ)を採用。AYCと協調制御させ、まさにオン・ザ・レール感覚のコーナリング性能を実現した。また、ランエボ史上初となるAT車の「GT-A」が設定されたのもエボVIIからだった。

画像: 2002年1月に発表(発売は同年2月)された、ランエボ史上初のAT車「GT-A」。ATは5速で、ステアリングシフトスイッチも装備。

2002年1月に発表(発売は同年2月)された、ランエボ史上初のAT車「GT-A」。ATは5速で、ステアリングシフトスイッチも装備。

2003年にはエボVIIIが登場。ランエボ初の6速MTを採用し、量産4輪車としては初となるカーボン繊維強化樹脂を用いたリアスポイラーが装備された。

エンジンはピストンに高強度アルミ材を、コンロッドには高強度の鍛造鋼を使うことで耐久性を上げ、過給圧も高められた。

その結果、ランエボとしては初めて最大トルクが40.0kgmに達した。また、AYCはコーナリング時のトレース性能を高めたスーパーAYCに進化している。

画像: オフブラックのモノトーンが基調色で、新デザインのMOMO製の本革巻き3本スポークステアリングや本革巻きシフトノブなどを装備。

オフブラックのモノトーンが基調色で、新デザインのMOMO製の本革巻き3本スポークステアリングや本革巻きシフトノブなどを装備。

第3世代最後のモデルが2006年に登場したエボIXだ。エンジンは吸気側にMIVECを採用し、最大トルクは40.8~41.5kgmに到達。当時のプラットフォームではこれが限界と言われた。

画像: エボVIに続き、4G63型エンジンを搭載。エンジンルームのレイアウトを見直し、重量バランスや冷却効率を向上させている。

エボVIに続き、4G63型エンジンを搭載。エンジンルームのレイアウトを見直し、重量バランスや冷却効率を向上させている。

ランサーエボリューションVII GSR(2001年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4455×1770×1450mm
●ホイールベース:2625mm
●重量:1400kg
●エンジン型式・種類:4G63型・直4 DOHCターボ
●排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:39.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:235/45ZR17
●価格:299万8000円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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