2019年5月4日、波乱の展開となったスーパーGT選手権第2戦 GT300クラスを制したのはGAINER TANAX GT-Rだった。予選は4番手、そこからいかにして優勝したのか。装着タイヤの側面から、その勝因を探ってみた。

いち早くスリックに交換、アウトラップをプッシュしてマージンを築く

レース前から天候の悪化が心配されてはいたが、その雨は予想よりも早くやってきた。しかし、同じように雨となった第1戦岡山とは違う結果となった。どこが違ったのだろうか。

決勝スタート直前に降り出した雨のため、レースはセーフティカー先導で開始されたが、安田裕信がスタートドライバーを務めたGAINER TANAX GT-Rはバトルが開始されると一気に4番手から2番手へ浮上する。このときの路面はまだ路面が少し濡れている状態。こうした状況を得意とするダンロップのウエットタイヤを履くGAINER TANAX GT-Rにとってはまさに絶好のコンディションだった。

ただ、雨量が増えると速さを増すのはブリヂストンのウエットタイヤで、その後、ブリヂストン勢が猛烈な追い上げを見せることになる。ここでGAINER TANAX GT-Rにとって幸運だったのは、あまりに雨量が多くなり赤旗中断となったことだ。

レース再開後、まだ路面が少し濡れている状態では良かったが、路面がさらに乾いてくるとブリヂストンタイヤを履くLEON PYRAMID AMGにパスされてしまう。そこでGAINER TANAX GT-Rはいち早くスリックタイヤに交換、そのタイミングがまた絶妙だった。さらに交代した平中克幸がアウトラップ数周をプッシュしてライバルに大きなマージンを築くことになった。

再び安田に交代したGAINER TANAX GT-Rは、終盤、ARTA NSX GT3に迫られ、ファイナルラップではテールトゥノーズとなったが。GT500の車両を挟みながらなんとか逃げ切った。その差はわずか0.239秒だった。

同じウエットコンデションでも第1戦岡山とは異なり、一気に雨量が増えたり、その後急速に路面が乾くなど、目まぐるしく条件が変わったことが、勝敗の行方に大きく影響。そうした状況をうまくキャッチアップしたのがGAINER TANAX GT-Rだった。

レース後、平中克幸は「安田が大雨の中素晴らしい走りを見せてくれました。再開後は早いタイミングでドライタイヤに交換、その判断も良かったし、最終ラップによく踏ん張ってくれたました。チーム全体が完璧な仕事をこなした結果だと思います。なんとしても令和初のチャンピオンを手に入れたいですね」という。

安田裕信は「予選で4位に入れたことと、平中さんがセカンドスティントで良いリズムを築いてくれたこと、この2点が今日のポイントだったと思います。僕は、最終ラップで迫ってくるライバルを抑えただけです。去年はチャンピオン争いしながら取れなかったので、今シーズンはこのまま表彰台をキープし、シリーズ優勝したいですね」と語った。

開幕2戦がウエットコンデションとなったこともあって、今シーズンのスーパーGT GT300クラスの勢力図はまだはっきりとしない状況でもある。次戦第3戦は5月25-26日、鈴鹿サーキットで行われる。

画像: GT300クラスを制したGAINER TANAX GT-Rの平中克幸(左)安田裕信。

GT300クラスを制したGAINER TANAX GT-Rの平中克幸(左)安田裕信。

スーパーGT第2戦GT300クラス結果

優勝 11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)
2位 55 ARTA NSX GT3(高木真一/福住仁嶺)
3位 88 マネパ ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

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