ランサーエボリューションとともに、WRC競走用ベースマシンにして公道最速を目指した究極のロードカー、スバル・インプレッサWRX STIの系譜を紹介していこう。今回は第2世代となった、通称「丸目」だ。(ホリデーオート2019年5月号より)

新プラットフォームの採用で限界性能が飛躍的に向上

インプレッサWRX STi(GDB型:2000年10月発売)

画像: 第2世代インプレッサシリーズの初期型で採用された丸いライトを用いたフロントマスクには賛否両論があった。

第2世代インプレッサシリーズの初期型で採用された丸いライトを用いたフロントマスクには賛否両論があった。

ベース車であるインプレッサのフルモデルチェンジから2カ月、装い新たに登場したSTiモデルは、バージョンVIでやり切れなかった部分にきっちりと手を入れてきた。ヘッドランプの形状から、インプレッサ・ファンからは通称「丸目」と呼ばれた。

画像: ステアリングはMOMO社製の4本スポーク、メーターパネルは、STiロゴ入り大型タコメーターを中央に配置。

ステアリングはMOMO社製の4本スポーク、メーターパネルは、STiロゴ入り大型タコメーターを中央に配置。

ボディは全幅が1730mmとなり、それに伴い前後トレッドも20mm増えた。タイヤも225/45ZR17のBSポテンザRE040を標準装備する。

加えて、バージョンVIから継承し熟成を進めた高剛性の倒立式ストラットやベベルギア式センターデフ+ビスカスLSDによる4WDシステムと、リアのシュアトラックLSDの組み合わせで、トラクションの確保やハンドリングのレベルは一段と高まった。

画像: タコメーター内には設定した回転数で点灯するREVインジケーターを設置。2000〜8000rpmの間で100rpm単位で設定できた。

タコメーター内には設定した回転数で点灯するREVインジケーターを設置。2000〜8000rpmの間で100rpm単位で設定できた。

さらに競技ベース車両であるタイプRAの16インチタイヤ仕様には、基本トルク配分を45.5:54.5にしたDCCDを採用。フロントにシュアトラックLSD/リアに機械式LSDを搭載して、さらにアグレッシブな走りに対応している。

画像: エンジンはEJ20ターボ。低回転ではトルク感が薄いが、4000~8000rpmで爆発的な吹け上がりを見せる。

エンジンはEJ20ターボ。低回転ではトルク感が薄いが、4000~8000rpmで爆発的な吹け上がりを見せる。

エンジンは多孔式インジェクターの採用で燃焼改善を図り、ムービングパーツの軽量化、ターボの改良、インタークーラーの大型化などに加え、可変バルブタイミング機構のAVCSを新採用して、最大トルクを従来型+2kgmとなる38㎏mまで高めてきた。

これに新開発の6速MTを組み合わせて、160kg増加した車重をものともしない加速性能を実現。同時にブレーキにブレンボ製・前異径4ポット/後2ポットの17インチを採用して圧倒的なストッピングパワーも得た。

2001年12月には最大トルクを39.2kgmまで高めたタイプRAスペックCを投入。圧倒的速さを誇示している。

画像: STiはセダンのWRXおよびタイプRAとスポーツワゴンSTiの3機種に整理された。基本メカニズムはセダンと共通だ。

STiはセダンのWRXおよびタイプRAとスポーツワゴンSTiの3機種に整理された。基本メカニズムはセダンと共通だ。

インプレッサWRX STi(2000年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4405×1730×1435mm
●ホイールベース:2525mm
●重量:1430kg
●エンジン型式・種類:EJ20型・水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:280ps(206kW)/6400rpm
●最大トルク:373Nm(38.0)kgm/4000rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:225/45ZR17
●価格:319万8000円

This article is a sponsored article by
''.