2019年6月7日、F1第7戦カナダGPが開幕する。ストレートスピード、ブレーキ性能、タイヤ温度、天候、戦略、予選順位の重要性、オーバーテイク、セーフティカーなど、さまざまな要素を含んだ難解なグランプリと言われるが、ここで好成績をあげるポイントはどこにあるのか探ってみよう。

ストレートスピードがひとつのポイントとなる

F1第7戦カナダGPが開催されるジル・ヴィルヌーブサーキットは、長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせが特徴。また、ふだんは公園として使われているため、グリップがそれほど高くないのもポイントとなる。

13コーナー手前で約340km/h、ホームストレートエンドで約320km/hをマークする一方、10コーナーのヘアピンで約60km/h、2コーナーでも約75km/hまでスピードが落ちる。オーバーテイクポイントは最終コーナー手前の13コーナー。10コーナーのヘアピン立ち上がりから続く直線区間でトップスピードに乗せることができれば、13コーナーあるいは続く1コーナーのブレーキキングで交わすことができる。

名物コーナーはその13コーナーとシケイン。オーバースピードで縁石に乗ってアウト側のコンクリートウォールに激突するアクシデントが多く、多くのF1王者もクラッシュを喫したことから「チャンピオンの壁=Wall of the Champions」と呼ばれている。

オーバーテイクのチャンスはあるが、ブレーキへの負荷は大きく、トラクションの良さやエンジンパワーなど複数の要素がからみあうなど、このコースの攻略は簡単なものではない。

メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は「ここまで我々は低速コーナーでは速かったが、高速セクションでライバルに対してタイムを失っており、ストレートスピードがひとつのポイントとなる」と警戒する。

一方、ここで逆転を狙うフェラーリのセバスチャン・ヴェッテルは「このコースは長いストレートとハードなブレーキングポイントで、ストップ&ゴーであることでも知られている。とくに後半部分が重要で、最後のシケインにつながる長いストレートでスピードを出すには、ヘアピンで完璧にブレーキをかけ、ベストな形でコーナーを抜けなけばならない」と語る。

また、昨年のカナダGPで3位に入賞するなど、このコースを得意とするマックス・ファルスタッペンは「ストレートが中心のように見えますが、それだけではなく、意外と難しいコースレイアウトです。シケインをうまく攻略しないと大きな代償を払うことになります。コーナーはすべて、左から右、または右から左につながっていて、ひとつでも間違えると走りのリズム全体が崩れてしまいます。でもここはオーバーテイクもできるので楽しみにしています」と自信をのぞかせる。

天候が変わりやすく、雨や低い気温も心配されるが、昨年のカナダGPは絶好のコンディションの中で行われ、フェラーリのセバスチャン・ヴェッテルがポール・トゥ・ウインを決めている。2位はメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス、3位にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが続き、予選順位そのままの3名が表彰台に上がった。

オーバーテイクのチャンスはあるものの、予選が重要であることに変わりはなく、タイヤを供給するピレリも「アクシデントがない限り、ほとんどのドライバーがワンストップ戦略をとるだろう」と予測している。

F1第7戦カナダGPは、6月7日金曜日10時(日本時間23時)からのフリー走行1回目で幕を開ける。予選は6月8日14時(日本時間8日深夜3時)、決勝は6月9日14時10分(日本時間10日早朝3時10分)に開始される。

画像: カナダGPが開催されるジル・ヴィルヌーブサーキットのコースレイアウト。ロングストレートとヘアピンが特徴だが、それだけではない難しさがある。

カナダGPが開催されるジル・ヴィルヌーブサーキットのコースレイアウト。ロングストレートとヘアピンが特徴だが、それだけではない難しさがある。

画像: 今年のカナダGPで各ドライバーが選択したタイヤ。

今年のカナダGPで各ドライバーが選択したタイヤ。

2018年 F1カナダGP 予選結果(参考)

1位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)1:10.764
2位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)1:10.857
3位 33 フェルスタッペン(レッドブル)1:10.937
4位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)1:10.996
5位 7 K.ライコネン(フェラーリ)1:11.095

2018年 カナダGP 決勝結果(参考)

優勝 5 S.ヴェッテル(フェラーリ)
2位 77 ボッタス(メルセデスAMG)
3位 33 フェルスタッペン(レッドブル)
4位 3 D.リカルド(レッドブル)
5位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)

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