2019年6月9日(現地時間)に行なわれたF1第7戦カナダGP、ついにメルセデスAMGの連勝をヴェッテルが止めたと思われたが、レース結果は意外なものになった。オーバーテイクが可能なサーキットでの息詰まる攻防、高い気温の中でのタイヤ戦略は見応えがあった。

48周目のターン3でヴェッテルが痛恨のコースオフ

カナダGPは予選からフェラーリとメルセデスAMGの激しい攻防に沸いていた。ともにQ2で決勝レースをミディアムタイヤでスタートする戦略を実践、グリッド順を決めるQ3ではセバスチャン・ヴェッテル(フェラーリ)がルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に0秒2差つけてポールポジションを獲得した。

ヴェッテルは決勝スタートでも好ダッシュを決めて主導権を奪うと、26周目にユーズドのハードタイヤに交換。28周目に新品のハードタイヤを装着したハミルトンとの差をコントロールしながらレースをリードしていた。事件はその後、48周目に起きた。

ハミルトンを従えてトップを走行していたヴェッテルがターン3でコースオフ。なんとかコースに復帰したが、その時、レーシングラインを走るハミルトンの進路を塞ぐような形になった。

スチュワードはこのヴェッテルの動きを問題視して、5秒のタイムペナルティとペナルティポイント2を科す裁定を下した。これによりヴェッテルはトップでフィニッシュしたものの、優勝は2番手でチェッカーを受けたハミルトンのものになった。

ところが、この裁定に納得できないヴェッテルの怒りが爆発。レース後、ヴェッテルはフィニッシュしたマシンを所定の位置に止めず、ハミルトンのマシンの前にあった順位を示すボードを2位のものにかえるなど、FIAへの不満をぶちまけた。

「レースは本当に楽しかった。でもこの結果はレースじゃない。結果はコースで決まるべき」とヴェッテル。進路を塞がなければハミルトンはヴェッテルをパスすることができたのか、そもそも進路を塞いだのか、それともコースアウトしたのだから一定のペナルティを払うべきなのか。判断が難しいところだが、ヴェッテルは順位が変わるようなアクシデントではないと考えているようだ。

おそらくこの裁定が覆ることはないだろうが、フェラーリがメルセデスAMGを敗る速さを身につけつつあることは間違いない。

画像: トップでフィニッシュしたものの2位となったセバスチャン・ヴェッテル(左)と3位に入ったシャルル・ルクレール。表彰台でもヴェッテルの怒りはおさまらなかった。

トップでフィニッシュしたものの2位となったセバスチャン・ヴェッテル(左)と3位に入ったシャルル・ルクレール。表彰台でもヴェッテルの怒りはおさまらなかった。

画像: カナダGPでの各ドライバーのタイヤ戦略。フェラーリとメルセデスは互いを意識しあうように似たタイヤ戦略をとった。

カナダGPでの各ドライバーのタイヤ戦略。フェラーリとメルセデスは互いを意識しあうように似たタイヤ戦略をとった。

F1第7戦カナダGP決勝 結果

優勝 44 Lハミ.ルトン(メルセデスAMG) 70周
2位 5 S.ヴェッテル(フェラーリ) +3.658s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +4.696s

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