汚染物質やカビ、ダニなど、梅雨の敵対策をここまで紹介してきたが、この時期の真の敵といえばやっぱり「雨」……当たり前だが。そこで、今回はタイヤやバッテリー、下回り、ヘッドライトといった機能性パーツの点検をしていこう。今からでも間に合う!簡単梅雨対策、最終回となる今回は機能編だ。

雨の日はタイヤの性能が命綱

よく言われているように、どんなクルマも4本のタイヤによって支えられている。また、これからの梅雨の時期に遭遇することの多いウエット路面では、タイヤの状態が発揮できるグリップ性能を大きく左右する。そこで重要になるのがタイヤの点検だ。

タイヤの点検は「基本に忠実」が鉄則。運転免許を取得するときに自動車教習所で習った方法を多くの人が覚えていることだろう。空気圧を見て、全体にヒビ割れや損傷などが発生していないかを確認する。そして、排水性に直結する溝の残量を確実にチェックする。

なかでもこの時期、ウエットグリップ性能に直結する「溝の残量チェック」が最重要である。この溝は、排水の要だ。さらに、ゴムのしなやかさも重要で、表面にヒビが出ている場合は硬化が進んでいる証し。即刻交換しよう。

さらによく見かけるのが、冬が終わっても夏タイヤに履き替えず、夏季もスタッドレスを装着したままにしているクルマだ。履きつぶすからいいやという考えのようだが、雨の日のスタッドレスタイヤは危険。水分を弾くタイプのゴムを使っていることが多く、グリップ性能や制動距離は確実に悪化するのだ。

画像: タイヤの残り溝、ひび割れをチェック。

タイヤの残り溝、ひび割れをチェック。

下回りやマフラー、バッテリーなど、点検すべきパーツはまだまだある

今どきのクルマは下回りの防錆処理も進み、サビることはない……と油断してはダメ。ぶつけたり、雪道にまかれる融雪剤(=塩分)の影響で、サビが発生することもあるからだ。もちろん梅雨時ともなると、サビはさらに増殖。たまに覗いて、見つけたらリペアしておこう。

わかりにくいが、写真は真っ赤にサビた下回りとマフラーのサビ。純正マフラーはステンレス化が進み腐食しにくくなったとはいえ、継ぎ目には要注意。穴が空いてしまったら車検を通らなくなってしまう。

さらに、バッテリーも梅雨時の負担は大きい。弱いのは冬では? と思うかもしれないが、湿度の高い雨天時や夜の渋滞など、エアコンやナビを点けっぱなしにしていることを考えると、バッテリーへの負担はかなりのもの。夏場の高温多湿環境も不得意なだけに、今のうちからしっかりと点検して、必要に応じて新品に交換しておこう。

特に、最近のクルマはアイドリングストップや充電制御の普及によって、バッテリーの負担は増すばかり。主流のメインテナンスフリータイプであれば液量点検不要で、インジケータをチェックするだけで良い。

画像: 赤くサビた下回り。さらに進行する前に手を打っておく必要がありそうだ。

赤くサビた下回り。さらに進行する前に手を打っておく必要がありそうだ。

点検項目ではないが、気になるライト回り

HIDやLEDの普及にともない、最近の主流は白い光だ。晴れた夜であればクリアな視界を照らし出してくれるのだが、雨が強く降る状況になると効果は一転。雨粒に光が反射して、視界を悪化させることがある。その場合、下から照らしてくれるフォグランプを活用して走行する。

これでも良くならないほど、ひどい雨天の場合は緊急的にヘッドライトを消して、スモールランプとフォグランプだけで走行するのも手だ。ちなみにリアフォグランプは、霧の発生しているときのみ使用するのが基本だが、豪雨で前方視界が劣悪な場合は、後続車への存在アピールのために使ってもかまわない。(文/写真:近藤暁史)

画像: 濃霧のもとでの走行であれば、フロントフォグランプの点灯が効果的だ。

濃霧のもとでの走行であれば、フロントフォグランプの点灯が効果的だ。

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