昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は、昭和48年発売の日産 ブルーバードU HT 2000GTXだ。

ロングノーズに収められた125psのストレート6

日産 ブルーバードU HT 2000GTX:昭和48年(1973年)8月発売

画像: GTのボディは1800に比べてホイールベースを150mm、オーバーハングを55mm延長して、全体で205mm延長された。

GTのボディは1800に比べてホイールベースを150mm、オーバーハングを55mm延長して、全体で205mm延長された。

大ヒットを飛ばした510型ブルーバードに代わる、1970年代のファミリーカーとして登場したのが、昭和46年(1971年)8月、“610”の型式を与えられて誕生したブルーバードUだ。

大ヒットとなった510型の後を受けて登場した610型ブルーバードは「U」のサブネームが付けられたが、これは610型の発売後も510型がしばらく併売されたためである。

Uはユーザー・オリエンテッドの意も込められているが、生産台数は510型の155万2263台に対し、105万263台と大幅にダウンした。ブルーバードのユーザーは、先進的なファッショナブルカーよりも質実剛健なファミリーカーであることを望んだのである。

画像: 強化サスペンションはGTXの5速MT仕様にのみ装備された。ステアリングはバリアブルギアレシオだったが、フロントヘビーで相当重かった。

強化サスペンションはGTXの5速MT仕様にのみ装備された。ステアリングはバリアブルギアレシオだったが、フロントヘビーで相当重かった。

610型ブルーバードUは、510型のひとクラス上を行くラグジュアリー志向のミドルサイズ・サルーンで、曲面基調の伸びやかなスタイルとサイドウインドーのJラインを売り物にした。ボディタイプは4ドアセダンと2ドアHT(ハードトップ)をそろえていた。

エンジンは510と同じ4気筒SOHCのL型だ。1.6LのL16型と1.8LのL18型が用意され、1.8LのSSS-Eには電子制御燃料噴射装置のEGIを装着したL18E型(125ps/16.0kgm)が搭載されている。

画像: 3本スポークの革巻きステアリング、角型を基調にしたメーター類、太い握りのシフトレバー…高級スポーツサルーンにふさわしい装備類。

3本スポークの革巻きステアリング、角型を基調にしたメーター類、太い握りのシフトレバー…高級スポーツサルーンにふさわしい装備類。

そして1973年8月にシリーズのトップに立つ、L20型 直列6気筒SOHC搭載車が追加された。これがスカイライン2000GTのブルーバード版として開発された、ブルーバードU 2000GTだ。

長大なL20型エンジンを収めるため、ホイールベースを150mm、全長は205mmストレッチし、ロングノーズを強調している。二分割の迫力あるバーティカルマスクが、スタイリングの大きなポイントだ。

2000GTに積まれる、1998ccのL20型シングルキャブ仕様は最高出力115ps/5600rpmの性能を発揮。トップグレードの2000GTXはSUツインキャブを装着して、最高出力は125ps/6000rpm、最大トルクは17.0kgm/4400rpmを発生した。5速MTを介して、最高速度は180km/hを誇った。

サスペンションは名車510ゆずりの前:ストラット/後:セミトレーリングアームの4輪独立懸架だったが、フロントヘビーのため、アンダーステアが強い傾向にあった。

画像: このアングルから見てもロングノーズがよく分かる。最高速度は、カタログ値で180km/hだった。

このアングルから見てもロングノーズがよく分かる。最高速度は、カタログ値で180km/hだった。

ブルーバードU HT 2000GTX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4420×1615×1380mm
●ホイールベース:2650mm
●重量:1130kg
●エンジン型式・種類:L20型・直6 SOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:125ps/6000rpm
●最大トルク:17.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.45S-14-4PR
●価格:102万8000円

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